Microsoft、Groove を買収, 「第四間氷期」
Microsoft、Groove を買収
結構びっくり。Groove といえば Lotus Notes を作ったレイ・オジーの会社で、P2P 型のグループウェアをメインにしていたところ。つまり、これで MS はプロダクトレベルの P2P 技術を手に入れたことになります。
GDC でも Xbox 向け P2P 型のネットワークサービスについて語っていたようだし、MS が推進する P2P な世界の今後に興味津々です。
「第四間氷期」
安部公房さんの SF 小説。解説では「実験小説」と書かれているけど…。大量のデータを元にあらゆることの論理的帰結を導き出すことの出来る「予言機」が発明されたことから巻き起こる様々な騒動を描いた作品です。
単に「予言機があったらどうするか?」というレベルの話ではなく、あとがきで作者自身が書かれている通り「未来と現在の関わり」に関する強いテーマ性がある点が、単なる SF 小説ではなく「実験小説」と言われている理由なのかなぁ。お話的にはサスペンスタッチの SF で、どことなくこないだ読んだハックスリーなどを思わせるような雰囲気です。このお話も 1950 年代に書かれたものですが、ハックスリーにしてもこの本にしてもヴォネガットにしても、未来社会が極めて論理的であると想像している点が、今の僕から見るととても面白い。まだその時代には「複雑系」や「カオス」といった概念は知られていなかったのだなぁと思いました。
そういう意味じゃテクノロジー予測、という面からこの小説を見るのは正しくない、というかあまり面白い読み方とは言えなくて、やっぱり上でも書いた「未来と現在の関わり/関係性」の部分を読むべきなのでしょう。ある意味衝撃的な問いかけなのですが、不思議と納得出来る感じ。結構面白かった。
そうそう、現代の小説と安部公房さんの小説を比べると、比喩の使い方やその感覚が微妙に違っていてなんだか新鮮でした。「砂の女」を読んだ時はそれほど感じなかったのにな。