ドライブの楽しさ
車の運転が好きな人って何が好きなんだろう…。
(雨の日とかは車はいいなぁって思うけど!)
僕の今の状態は一時的なもので、言ってみれば「初めて自転車を買ってもらった小学生」のように、単純に車に乗れるようになったことが嬉しく、可能なら寸暇を惜しんで乗り回したい、というような気持ち (こないだレンタカーを借りた時も、子どもたちが寝静まってから一人で夜中ドライブしようか、と思ってましたもの。実際にはくたびれてたのでしませんでしたが)。そのうち冷めるだろうと思っています。
もっと一般的に、「ドライブが趣味」という人の場合はどうなんでしょうね。実は僕もあんまりよく分からない方だったりします。先日みんなで江ノ島へ行った時も、行き帰りの車の中でみんなでわーわー歌を歌ったりしながら騒いでいたのは楽しかったけれど、「江ノ島へ来た!」という実感は非常に薄かったような。この、距離が隔たった地へ来た、という実感について、僕は昔から結構こだわっているのかもしれない。
自転車に乗っていると、身体は完全にむきだしだしこがないと進まないし、こげば呼吸が荒くなっていやがおうにもたくさん空気を吸ってしまうし、その、どこか新しい土地へ着いた、という感覚が非常に強烈なのですね。それが例えば高々 50km ほどしか離れていない土地だったとしても、なんだか遠く隔たった地へ来ている、という実感を強烈に感じることが出来ました。
昔原付に乗っていた時も、近場からかなり遠いところまで、かなりいろいろなところへ行ってみました。その時、たどり着いたのは同じ場所なのに、自転車で来た時と原付で来た時で全然感じが違っていることに気が付いたんですよね。うまく説明出来ないんですが、身体と土地がマッチ (フィット?シンクロ?) していない感じ。それが僕にとってはすごい違和感で、自転車で移動するより原付で移動するのは楽しくないんだなぁ、と思ったのでした。
そして自動車です。自分で自動車を運転して 50km 離れた土地に行ってみて、やっぱり妙な違和感がありました。僕のイメージでは、自動車ってちょっとどこでもドアっぽいんですよね。家の前で車に乗り込んで、次にドアを開けて出てみるともう目的地。何というかそこに「移動」や「距離」の要素が希薄過ぎて、原付の場合以上に土地と身体がシンクロしない感じを強く受けました。
不思議なのは、公共交通機関 (電車や飛行機) を使う場合にはそれほど強い違和感は受けないこと。電車や飛行機での移動時は、同じ電車や飛行機に乗って移動するとはいえ、周りの環境は常に微妙に変化していることが土地と身体のフィット感向上に役立っているのでしょうか (うーんオカルトだ)。
というわけで、こと「移動する」という面に関して言うと僕の中で最も価値が高いのは自転車、ということなのでした。もちろん冒頭でも書いたけど、移り変わる景色を見ながら狭い車内家族5人でワイワイガヤガヤ騒ぎながらドライブ、という楽しさは、僕もすごくよく感じます。つまり、僕の場合のドライブの楽しさはもっぱらそこなんだろうな、と思った次第。