「うさぎドロップ」
「うさぎドロップ」
宇仁田ゆみ著。すでに「このマンガがすごい! SIDE-B」などでも紹介されているらしいので実は有名な本なのかもしれませんが、先日本屋で試し読みして気に入って購入(あゆみさんが・笑)。結婚どころか恋人さえいない三十路男、ダイキチが、いきおいで祖父の隠し子、6歳のりん(♀)を引き取ってからの「父子(?)家庭」生活のいろいろを描いた本。すごい面白かった!
やっぱりとても面白がって読んだあゆみさんと共通の感想だったのが、「ダイキチは、非モテ独身三十路男としては信じられないくらい“まっとうな”家庭感覚を持っていて、いったいどうしたらああいう男の人が育つのか、さっぱり想像が付かん!」という点。「しょせんお話だから」で片付けてしまうと面白くないけれど、オーボーな妹との二人兄弟だったり、かつてバリバリ働いていたお母さんに育てられた、という環境的なことと、あとは「余計なことは言わないで飲み込んでしまう」というようなダイキチの性格なんかが、結果的に良い方に転がっているのかな、と個人的には思いました。基本的に素直だよね、ダイキチ。物事の優先順位がかなりはっきりしてて、いわゆる「あきらめた選択肢」についていつまでもウダウダ考えないところ、つまり大事な事は何か、そしてそれらに対して自分はどういう選択をするのか、について、覚悟が決まっているところが、気持ちが良いと感じるのかなぁ。不満の原因を外部に求めない、というか。自らの不運を嘆かない(自らの選択の結果なのだからそもそも不運ですらない=そのあたりが「覚悟」ということ)、というか。うまく表現できませんね。
ともかく、今子育て中の方なら大いに感情移入しながら読めるでしょうし、そうでない方も「気持ちの良い生き方」を読む、という意味で、大いにお勧めのシリーズです。ちなみにまだ未完です。