HEADWOLF Titan1 Review
HEADWOLF Titan1、買いました。
初夏にALLDOCUBE iPlay70 mini Ultra(以下U880)を買ったばかりだというのに、また新しい8インチAndroidタブレットを買ってしまいました。HEADWOLF Titan1(以下F8)です。そんなわけで、主に直前まで使っていたU880との比較という形で、F8のレビューをまとめておこうと思います。
比較表
とりあえず個人的に気になるポイントの比較表をば。
| 項目 | ALLDOCUBE U880 | HEADWOLF F8 | 備考 |
|---|---|---|---|
| SoC | Qualcomm Snapdragon 7+ Gen3 | MediaTek Dimensity 8300 | |
| RAM | 12MB(LPDDR5) | 12MB(LPDDR5X) | |
| Storage | 256GB(UFS3.1) | 256GB(UFS4.0) | |
| MicroSD | 対応 | 対応 | |
| Display | 8.8インチ、2560x1600 | 8.8インチ、2560x1600 | 343PPI |
| Refresh Rate | 最高144Hz(固定) | 最高144Hz(固定) | 60,90,120,144で固定(適応可変ではない) |
| Speaker | 短辺に2つ(DTSサウンド) | 短辺に2つ | |
| OS | Android 14 | Android 15 | |
| 生体認証 | - | 顔認証 | |
| Wi-Fi | 6(デュアルバンド) | 6E(トライバンド) | |
| Bluetooth | 5.4 | 5.4 | |
| 4G LTE | - | 対応 (GSM:B2/3/5/8, WCDMA:B1/2/5/8, FDD:B1/2/3/4/5/7/8/20/28AB/66/B38/39/40/41, TDD:B38/39/40/41) | |
| Sensor | ジャイロ/モーター/重力センサー/光センサー | GPS/光センサー/ジャイロセンサー/重力センサー/地磁気センサー | |
| Battery | 7300mAh/PD20W | 7200mAh/PD20W | |
| Size | 208x130x7.9(mm) | 209x130x7.9(mm) | |
| Weight | 335g | 325g | U880はユニボディ的な全てアルミな筐体、F8はアルミとプラスチックの組み合わせ |
上記のように横並びで比較してみても非常に似通ったスペックを持つ2台ですが、Androidバージョンの違い、生体(顔)認証の有無、4G LTE&GPS対応の有無などが大きく、後発のF8の方が優れています。個人的にはF8はWi-Fi 6E、つまり6GHz帯にも対応しているトライバンドなのが嬉しかったです。
実際の使用感



スペック上はさすがに後発のF8の方に分があるように見えますが、実際に使ってみると「ここはU880の方が良かった」という点もちらほらあります。
- ボディはフルアルミのU880の方が丈夫そうで、実際に4ヶ月使っている中でかなり派手に落としたことも何度かあったのですが運の良いことにディスプレイが割れたりもせずに無事でした(貼っていたガラスフィルムは割れました)。アルミバックパネルの上下にプラスチック部品を組み合わせたHEADWOLF定番のボディ構造を持つF8はそれと比べると華奢な印象があります。ただしU880も塗装があまり強くない、という弱点があって、4ヶ月の利用で早くもバックパネルに手のあとが残るようになってしまいました(汚れかと思いアルコールティッシュで拭いたら塗装が変色してしまった)。
- 標準のホームアプリはどちらも「Quickstep」という名前のアプリで、Android公式にリファレンス実装として含まれるLauncher3をカスタムしたものとのこと。ただしそのカスタマイズ度合いにはかなりの差があり、U880のQuickstepの方がホームのフォルダやアイコンデザイン、配置についてカスタマイズの幅が広く、デザインも良いです。F8のQuickstepは本当に基本的な機能しかなく、好みの通りにホーム画面をカスタマイズすることもちょっと難しいくらいのレベルでした(右のスクリーンショット1つ目、2つ目)。また標準のカメラアプリなどもF8のものは爆音のシャッター音を調整する機能が見当たらないなどちょっと実用にも問題があるレベルで、総じてソフトウェア周りはU880の方が「よくできている」印象でした。ただしよくできているとは言ってもそれはこの両者で比較した場合の話で、XiaomiやLenovoといった大手と比べるとどちらも非常に荒削りです。
- AntutuベンチマークのスコアはF8の方が高いと言われていますが、Google Octane 2.0ベンチマークではU880の方が高速となりました(右のスクリーンショット3つ目、4つ目)。また体感性能としてもU880の方が全体にスムーズに感じます。ただこれもOSのチューニングの違い、という可能性も高いです(F8はほとんど熱くならないのに対してU880はときどき結構熱くなっていました)。
とはいえ、総合的に見るとF8の方が快適、と感じられる場面は多く、結果的に「買って良かった」と思えます。
- やはり4G LTEやGPSに対応しているのは外出時にとても快適。特に今僕がメインで使っているドコモ回線利用MVNOの場合、最近都心では回線的にあまり快適に使えない状況で、そういう時にソフトバンク回線MVNOのSIMを入れているF8だとサクサク通信出来るので快適でした。
- 顔認証はやはり便利。外ではマスクをしているので変わらないんですが、家の中で使うときは顔認証でサクッとロック解除出来るのはとても快適です。どちらの端末も「持ち上げてスリープ解除」(Androidの設定的には「指を離してスリープ状態から復帰」)が使えるので、持ち上げるだけで利用可能な状態となります。なおU880はスリープ時に画面ダブルタップで復帰やホーム画面ダブルタップでスリープ、といったジェスチャーが使えますが、F8はそれらジェスチャーには非対応な点は残念。仕方が無いので、Android標準のアクセシビリティ機能(設定→ユーザ補助→ユーザー補助機能メニュー)のショートカットを有効化し、画面上に「画面ロック」ボタンを含むユーザー補助機能ボタンを配置することにしました。この手の格安タブレットですと物理ボタンの耐久性はだいぶん不安がありますからね…
- Qualcommはなぜか頑なにハイエンドのSnapdragon 8シリーズにしかAV1 codecを積みませんが(なのでU880のSnapdragon 7+ Gen3もAV1 decoderは非搭載)、MediaTekはそんなことないのでF8のDimensity 8300にもAV1 decoderがあります。おかげでDMM TV等AV1対応しているストリーミングサービスではAV1エンコードされたストリームを利用可能です。
なおU880のびみょ~な点の1つだったバッテリーの持ち(極端に持たない、というわけではないが、とても持つ、というわけでもない。僕の使い方だとだいたい二日毎に充電する感じ)については、F8もほとんど変わらない~いろいろチューニング後はF8の方が気持ち持ちが良いかも?というくらいでした。なおAndroid 15になってバックグラウンドタスクが増えているらしく、標準状態ですと「Google」アプリや「Google開発者サービス」アプリがバックグラウンドで常時動いていて全体の25%くらいのバッテリーを消費している、という状況でしたが、
- 「Google」アプリのバックグラウンドでの実行を許可しない(それでも動作自体は止められないが、バッテリー消費は抑えられる様子)
- Googleアシスタントの設定を見直し、「OK、Google」といったトリガーワードでの起動を止める
などを行うことで、システムがバックグラウンドに消費するバッテリーを抑えることが出来ました。
あと、両機種とも同じスペックのディスプレイを持つわけですが、ベンダーが異なるのかはたまたチューニングの差か、実際の見え方には結構な差があります。より素直なのはU880の方で、自動輝度調整を使っているときの輝度変化による色の出方も大きな変化なく見やすいです。それに比べるとF8はかなり色が濃く(テレビで言うと「色の濃さ」、サチュレーションが高い)、特に輝度が低いときにそれが顕著で、逆に輝度が高くなるにつれあっさりした色の出方に変化します。また残像感もF8の方が大きいです。そんなわけで見やすいのはU880ですがF8の方も数日使えば慣れるレベルで、慣れてくるとF8の派手な色も悪くないと思えてきます。なおどちらも自動輝度調整機能を持ちますが、そのチューニングはF8の方が好み。U880の自動輝度調整は暗いところで暗くなりすぎ、いつも手動での調整を余儀なくされていましたが、F8は自動のままで困る場面がほとんどありません。
なおネットではF8で使われているパネルは同スペックのLenovo Legion Tab Y700 (Gen3)で使われているものと同じではないか、という噂がありますが、確かにちょっとだけY700(Gen3)を使ったことのある僕が見てもF8の表示の具合はかなりY700(Gen3)に近いです。それに比べるとU880は結構違う印象。ちなみに画面サイズ(フチ含む)やフロントカメラ位置などはその3者で全く一緒なので、実はガラスフィルム製品なども互換性があります。実際今F8に貼っているガラスフィスム(F8は標準でプラスチックのフィルムが貼られていますが、あまり品質が良くないのですぐに貼り替えてしまいました)は、元々U880用に買ったものの予備をそのまま利用しています。
その他雑感
今回F8は新発売セールを実施していた楽天で購入したのですが、久々に利用した楽天はショッピングモールとしては最悪と言っても良いような体験で、可能であれば二度と利用したくない、と思わせるものでした…(^^;。なおHEADWOLF公式ストアの対応は非常に良く、頑張って売っていこうという姿勢が感じられて好感が持てました。僕は発売記念で一番安い価格でセールしていたときに買ったのに、レビュー書いたら純正ケース+ガラスフィルム無料でプレゼント!の対象にしてくれました。なんと太っ腹。
ちなみにそんなわけで無料で純正ケースももらったんですが、この純正ケース、よくある蓋付きのケースかと思いきや蓋がマグネットで取り付けられていて完全に外すことができ、そうすると軽いブラケースとしても使える、という優れものでした。僕の用途ですと蓋による保護より持ち歩き時の軽さを重視したいので、普段は蓋を付けずに使っています。
なおF8を購入したことで使わなくなったU880は、5~6年くらい前に買ったHuawei MediaPad M5 Lite 8をずっと使っていたあゆみさんに使ってもらうことにしました。Huawei MediaPad M5 Lite 8とU880を比べると、SoC等は世代が進んで快適になっている反面、顔認証がなくなってしまった点は明確なデグレで、あゆみさんにはぶーぶー言われましたw。
