「Sony HDR-XR500V/S」、ゲット!, きょうのつぶやき
「Sony HDR-XR500V/S」、ゲット!
毎年この時期はキケンなんですが1、今年もやってしまいました。表題どおり、Sony の HD Handycam、HDR-XR500V をゲット。このエントリは、ある意味懺悔+自己正当化のためのエントリとなります(汗。
我が家ではこれまで、Sony の今は無き Digital8 規格2の「DCR-TRV220K」というレアなビデオカメラを使っていました。このカメラを使う前は Hi8 のカムコーダ (まぁそれもハンディカムでしたけど) を使っていたので、この Digital8 という規格は、昔撮った Hi8 のテープを DV データとしてデジタルで取り込むことができるという点で、我が家にとってはなかなか便利な代物でした。その他にも、三脚にセットしたままテープ交換が出来る点とか、何気に今は少なくなった光学20倍ズームレンズを搭載しているとか、ナイトビジョン機能が搭載されてたりと、結構細かなところでいろいろ便利なカメラでして、SD 画質で満足している限り、それほど不満の無いカメラでした3。
ところで話は変わりますが、我が家にはデジカメが2台あります。一台はデジタル一眼レフであるところの Canon EOS Kiss Digital N と、コンパクトデジタルカメラの Ricoh Caplio R6 です。このうち、後者の R6 が最近調子が悪くて、といっても悪いところを細かくあげていくとせいぜい「モード切替スイッチが壊れて効かなくなった」ぐらいなものなのですが、なんというか、このデジカメは買ったときから全体につくりがゆるく、3回も修理に出してもなお、あちこちがガタが来ている雰囲気で、つまりはあんまり外に連れ出したくなるようなカメラではなかったのですね。残念ながら。
ただそうなると我が家のデジカメが一眼オンリーになってしまうわけで、それはちょっと具合が悪い。一眼レフのカメラって、確かに撮れる写真のクオリティはとても良いのですが、その代償としてとても大きくて重いじゃないですか。それなりに気合の入ったイベントならば、得られる結果には変えられないのでそれでも頑張って持ち出しますが、もう少し気張らないイベントでは、持ち出す事自体がちょっと面倒になることも多いのです。そんなときには小さくて軽いコンデジが欲しくなります。
ここで仮に、新しいコンデジを物色することにしたとします。今 kakaku.com に行くと、ある程度まともで、それなりの倍率のズームレンズがついた機種4は 35,000円〜45,000円 くらいで売られているようです。
ところが、ここで視線を少しずらして、カムコーダ (ビデオカメラ) 市場を眺めてみます。すると、Sony のコンシューマ向けハイエンドモデル、HDR-XR500V5 でも、80,000円以下で買えるようになっています。XR500V のスペックを見ると、実効 600 万画素超の裏面照射型 1/2.88 インチ CMOS センサー+12倍ズームの Sony G レンズと、高倍率ズームレンズを持つコンデジと光学系に関しては殆ど変わらないか、むしろ世界初の裏面照射型 CMOS センサーを搭載している時点で勝る部分もありそうな感じです。ネットのレビュー記事、購入者の意見などを読んでも、「一眼並みとはいえないが、ふつーにコンデジ並みの静止画が撮れる」という意見が多い様子。
加えて、もちろんビデオカメラなので手ぶれ補正 (ちゃんと光学式) を備えていたり、ビデオカメラとしてはこれも初の六角形の虹彩絞りを搭載していたり (最近のコンデジではそもそも絞りを持たずに内蔵の ND フィルタで代用している機種も増えていますよね)、GPS 搭載で動画・静止画に自動的にジオタグを埋め込んでくれたりと、「ビデオ」の部分を除いて考えたとしても、相当頑張っている感じです。
…というわけで、ビデオカメラを HD 世代へ移行させること+我が家のコンデジとしての役割を期待して、HDR-XR500V を買うことにしたのでした6。
さて、実際買うことを決めてから、今回は新宿で実際に購入したんですけれども、まず最初の驚きはその価格でした。新宿西口のヨドバシとビックで戦わせて見たところ、最終的には93,000円のポイント20%(18,600円)という価格が出てきました。実質 74,400 円ナリ。価格.com の最安店よりも下の価格で買えたことになります7。むしろハイエンドモデルがこの価格で、ちゃんと利益が出ているのか逆に心配になってしまいましたよ(汗8。なお僕はこれまでヨドバシのお世話になることが多かったんですが、今回の買い物で、ヨドバシのあまりの売る気のなさ9と、それと比較したときのビックの接客のまともさ、その他いろいろあって、ビックへ趣旨替えすることにしました。そもそも僕はこれまでビックのポイントカードは持ってなかったりしたんですが、これを機会に作成することに。
閑話休題。さて、購入したのは昨日で、そして今日、早速家族で動物園へ行くイベントの時に使ってみました。そのとき撮った写真を何枚か貼っておきます。
使ってみて最初に感銘を受けたのが、その操作系の洗練具合です。もともとハンディカムを使っていたので Sony の操作系には慣れていた、ということもありますが、その古いハンディカムから比べて、無駄と思える操作を省き、本質的に必要な操作のみ残し、操作系全体がとても洗練されていました。特に気に入ったのが、電源ボタンの撤廃と「MANUAL」つまみですね。古いハンディカムには「カメラ」モードと「ビデオ」モード2つのモードを持つ電源スイッチがあり、まずそのスイッチを入れるところから全ての操作が始まっていました。それが XR500V では、液晶ディスプレイを開く or ビューファインダーを引き出す行為が、すなわち電源を入れることになります。これがとても自然で良いです。また、「MANUAL」つまみにはフォーカスや明るさ調整、AE、WB シフトなど、いくつかの機能が割り当てられ、僕は特に古いハンディカムでも明るさ調整を良く使っていたので10、早速その機能を割り当てて使っています。コストダウンでスイッチ等を減らさなければいけないという強いプレッシャーの中で、本当に必要なものだけを厳選して残している感じがとてもよいです11。
他にも何気に三脚穴がほぼイメージセンサーの位置と思われる箇所に空いていたり12、各種端子蓋もゴムではなくちゃんと全てバネで開閉するようになっていたりと、とにかく細かいところを手を抜かずに作っている感じがすごくします。少なくとも3万円以上出して買ったコンデジ、R6 に比べると、倍以上するとはいえ、ちと次元の違うプロダクトです。
コンデジ代替、としての操作性、画質について。まずは操作性についてはほぼ満点なんじゃないでしょうか。液晶モニタを閉じると静止画モードであっても必ず動画モードに戻ってしまう点には最初は戸惑いましたが、別に動画モードでも 800 万画素の静止画がいつでも撮れるわけで、16:9 で良い、と思えるなら、ずっと動画モードでも問題ありません。600万画素 CMOS で静止画モード 1200 万画素出力、というのはさすがにちょっと水増しが過ぎるような気もしますが(僕の場合そんな画素数必要ないですし)、まぁ逆にあまり気にしなければいいのかな、と。ただ、動画モードで静止画を撮っていると、時々すごく変な色の写真になることがあります。静止画モードではあまり遭遇しないので何らかのバグ or 制限事項だと思うんですが、今のところまだはっきりとは分かっていません。あと、これはいろいろなところで言われていますが、もう少しマニュアル撮影系の操作が可能でも良いかもしれませんね。現在は絞り値すら自分では選択できませんから…。
次に画質ですが、言われていた通り、一眼並みとはいえないまでも、十分コンデジ並みの画質ではあるように思います。ちょっと驚いたのが、撮影時の ISO 感度がまったく分からない点。写真の EXIF データを見ても、ISO 感度に関する情報は含まれていません。シャッタースピードと F 値から大体のところを推定すると、チューニングとしては結構高感度なところまで引っ張る感じですね。この辺りは最低シャッタースピードに制約のあるビデオ前提のチューニング、ということなんでしょうか13。あと、自動的に GPS 衛星を捕まえてジオタグを入れてくれる機能は思いのほか面白いですね。
あ、あと細かい話として、古いビデオカメラは20倍ズームレンズを持っていたのに、XR500V は12倍ズームで大丈夫か、という点について、こちらはいまのところ、デジタルズームを併用することで何とかなると予想しています。このカメラは600万画素超のセンサーを積んでいますが、そもそも動画の場合、Full HD だとしても200万画素ちょっとあれば足りるわけです。そこに600万画素超のセンサーを使っているので、24倍までのデジタルズームでは、「建前上は」解像度を落とさずに拡大できる、ということになっています。デジタルズームの設定上も、「なし」と上記「24x」と、解像度を落としてでもとにかく拡大する「150x」の3つのパターンから選べるようになっています。
なお今回僕は安いほうの XR500V を買ったわけですが、XR520V の半分、とはいえ、120Gbytes の HDD があれば、静止画なら1万枚、動画も最高画質で 14 時間超録画できますから、長期間の旅行などを考えない限り、HDD 容量という意味ではまったく困る事はなさそうです。むしろ電池が持ちませんし14。
そんなわけで、久々にいい買い物をした、と思える一品でした。そういや、こちらで HDD 搭載カムコーダを作って欲しい!と書いてから、実に5年以上たってようやく自分で HDD 搭載カムコーダを買えたことになるのですね。末永く使い続けられるといいなぁ。
きょうのつぶやき
またでっかい買い物をしてしまった! (22:28 webから)
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勤めている会社が、ボーナスを年に一度だけ、年度末に支給するタイプの会社なのです。 ↩︎
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8mm ビデオテープに DV テープとほぼ同じフォーマットのデータを強引に書き込む、という Sony 独自規格。「強引」に書いているので、テープ送りスピードは普通に 8mm ビデオとして撮影する時の2倍となり、つまり同じテープでも半分の時間しか撮れません(120分テープに60分)。 ↩︎
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一番>大きな欠点はデカくて大きく重い点ですが、最近はビデオカメラを持ち出すようなシチュエーションでは、ほぼいつも三脚も共に持ち出していたので、その点はあまり気になりませんでした。他の欠点としては、CCD の解像度が絶対的に足りないことによる解像感の物足りなさ、後は最近、レンズにカビが生え始めたこと(汗、くらいでしょうか。 ↩︎
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我が家のコンデジは上記のような使われ方をするので、それなりにオールマイティさを要求されます。そのため、ズーム倍率もそれなりに要求されるのです。 ↩︎
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本当に「ハイエンド」と言えるのは HDD 容量が倍の XR520V の方ですが、XR500V との違いはボディカラーと HDD 容量だけなので、ここでは XR500V もハイエンド、と呼ぶことにします。 ↩︎
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なんと長い前振りなんだ…。 ↩︎
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両店ともゴールデンウィーク特別セール中でした。もっとも、kakaku.com の掲示板によると池袋のヤマダでは同じ価格でポイント 29% だったそうなので、下には下がいますけれど…。 ↩︎
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ちなみに我が家で買ったこれまでのビデオカメラは、どちらも中古品で、当時 45,000 円くらい出して買ったものです。それがいまや新品のハイエンドモデルで 75,000 円を切ってしまってるんですから、メーカーは大変でしょうね…。 ↩︎
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そもそもビデオカメラ売り場に社員が一人もおらず、全てメーカーの説明員で、価格交渉も何もあったものではありませんでした。 ↩︎
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子どもの発表会など、暗いホールに明るいステージのようなシチュエーションでは、うまく調整しないと「背景真っ暗なのに役者の顔真っ白」みたいな映像になりがちですよね。 ↩︎
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古いハンディカムと比べると、スイッチの数、稼動部品の数は圧倒的に少なくて、何とかぎりぎりまでコストダウンしよう、しかし操作性はいろいろな工夫で犠牲にせずに、という熱意が感じられる設計だと思います。 ↩︎
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一眼系はたいていこの辺りにも気を使っていますが、コンデジは僕の知る限りほぼ全滅です。 ↩︎
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僕が見た感じでは、シャッタースピードが 1/30 以下になることはないようでした。 ↩︎
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XR500V の今見えている数少ない欠点の一つが、電池の持ちが悪いことですね。一日イベントの時は予備電池は必須かも。とはいえ、ビデオカメラとしてではなくデジカメとしてしか使わないなら十分以上に電池も持つんですけどね。 ↩︎