自宅 PC のバージョンアップ
自宅 PC のバージョンアップ
自宅で「あゆみさん PC」として活躍してくれている VAIO type.M、VGC-M22/W。なんだかんだいってもう3年近く使っているのですね。
ところで、この間までへそを曲げていた ThinkPad 君の機嫌が直ってきたと思ったら、今度は VAIO 君の HDD から時折異音がするようになってきました。そこで、突然クラッシュされてはたまらないので、HDD を予防交換することにしました。
何しろ買った当時でも 10 万円しなかった最低スペックのマシンのこと、それまでついていたのが 160GB HDD で、とはいえ実はまだたくさんあいていたのだけれど1、どうせなら、ということで今比較的価格容量比の良い 500GB のものに。一気に3倍ですよ!
またそれと一緒に、古い 160GB の HDD からのデータ移行用として、安い USB-HDD ケースも買いました。ちなみに我が家には古い IEEE1394 接続の HDD ケースもあったりするんですが、なんとそちらは BigDrive に対応しておらず、130GB 以上の HDD を繋いでも正常に使えないのです。永いこと PC を使っているといろいろありますなぁ。
さて。通販で一通りパーツをそろえた後、いよいよ HDD 交換です。VAIO type.M はディスプレイ・キーボード一体型の、ちょっとデザインされた PC なので、HDD を交換するのはそこそこ面倒です。今回僕は、こちらのページを参考にさせていただきました。とはいえ、基本的にはそれほど困難なく HDD 交換を完了2。PSX の分解清掃に比べたら楽なものです。(もっとも最近はそっちも、5、6 回と繰り返すうちすっかり手順が最適化されて、今では配線をつなぎなおしたり設置し直したりの方が時間がかかっていたりもしますが…。)
その後、あらかじめ作っておいたリカバリー DVD を使って購入当時の状態に戻し3、ウィルス対策ツールほか、必要なツールをインストールしていき、最後に取り外したほうの HDD を USB-HDD ケースに入れて中身を読み出そうとして、ひとつ壁にぶつかりました。
古いほうの HDD の、Windows XP におけるいわゆるユーザディレクトリ (C:\Documents and Settings\ayumi とかですな) が、なぜか読み出せないのです。どうも読み取り権限がないらしい。
古い HDD は2つのパーティションに分かれており、そのどちらも NTFS でフォーマットされていました。改めて USB-HDD として接続したときも、最初から両方のパーティションとも普通に認識されたんですが、Google 先生などでいろいろ調べてみると、今回のようなケース(NTFS でフォーマットされた外部ディスクを接続)の場合、古いほうの HDD のユーザディレクトリは、(たとえ同じユーザ名を使っていたとしても)別のユーザの所有物とみなされるそうで、しかも普通はユーザディレクトリはそのユーザに対してだけしか読み取り・書き込み権限を許可していませんから、別のマシンにつないで別のユーザで読もうとしても読めなかった、ということのようです。
しょうがないからパーミッションの変更を…と思い、Explorer から該当ディレクトリのプロパティを開いたんですが、ない!肝心のパーミッション変更のための機能が見当たりません。再び Google 先生でいろいろ調べてみて今回初めて知ったんですが、Windows XP の Home Edition では、フツーはディレクトリやファイルのパーミッションや所有者をいじる事は出来ないらしいのです。普段 Linux なんかを使っている人間からすると、そんなんアリ?!という感じです。
とはいえまったく方法がないわけではなくて、Safe モードで起動してやればなぜか変更できます。Safe モードで USB-HDD がちゃんと認識されるのか、ちょっとだけドキドキしましたが、大丈夫でした。そんなわけで無事、ディレクトリのパーミッション・所有者を変更して、必要なファイルを新しい HDD にコピーすることが出来ました。HDD 交換にかかった費用は、しめて1万円と少し、というところ。
ところで今回、HDD を交換するのにどうせ分解するのだから、と、CPU の載せ換えにもトライしてみました。元々 VAIO 君についていた CPU は、最廉価モデルということもあって、Northwood Celeron-128K 2.8GHz、というものでした。Netburst アーキテクチャで二次キャッシュが 128KB、FSB は 400MHz の石ですね。Netburst で二次キャッシュが小さい、という点が結構致命的で、クロック周波数の割にはもっさりした石です。
また、マザーボードは SIS661FX、というチップセットを使ったものであることはデバイスマネージャや各種情報により分かっていました。このチップセット自体は FSB 800MHz、Hyper-threading 対応の Pentium4 にも対応していますので、あとは BIOS さえ対応していれば、理論的にはそのあたりまでいけるはずです。
今よりもクロック周波数が高い石にしてしまうと発熱が心配です。また、Northwood 世代でなくそのあとの Prescott 世代の石も、発熱の割りに性能が良くない、と当時あまり評判がよくなかったため見送ることにして、結果、狙うは Northwood Pentium4-512K 2.8GHz FSB 800MHz Hyper-threading 対応に。
このくらい古い Pentium4 ですと、いまや Yahoo! オークションでは数千円で買えます。僕も今回 4,000 円そこそこで落札することが出来ました。
なお同クロックの石とはいえ、多少は処理能力の高い石に載せ換えるわけで、出来れば CPU ファンも新しい、高性能なものに換えようかなぁ、と思ったんですが、type.M はケース内が狭く、下手なファンを買ってきても取り付けられない可能性があることから、今回は見送りました。今回の交換のための分解の過程でファンの寸法もしっかり測ったので、今のファンが調子悪くなっても、次は大丈夫、なはず。
さてさて。そんなわけで、サーマルグリスだけは新品を塗りなおして、新しい CPU を挿して起動!すると、起動時の VAIO ロゴのあとに出ていた Celeron ロゴが自動的に Pentium4 ロゴに切り替わっていてちょっとびっくり。まずは BIOS 設定に入り、Hyper Threading を「on」に変更しました。このあたりもひょっとして対応してなかったら…という心配はありましたが、同時期に HT 対応の type.M も出ていたし、たぶん大丈夫だろうと。
Windows が起動すると、Hyper-threading 対応となった事でマルチプロセッサ系のデバイスドライバがいろいろ読み込まれて、晴れて無事、CPU の載せ換えも完了しました。CPU 載せ換え時の最大の心配事は実は、サーマルグリスの塗り方など、排熱に問題がないかどうか、だったんですが、その後 CPU 温度を見るユーティリティ等を使いつつ様子を見たかぎり、特に問題はなさそうです。交換の過程で各所に積もりまくっていたホコリも全て吹き飛ばしたせいか、ファンも改めてとても静かになりました。
クロック周波数はまったく変わっていないながら、二次キャッシュのサイズ、Hyper-threading の有無が変わった今回の CPU 交換、結構その効果を体感できているような気がします。Windows がフルリカバリされた事による効果や HDD も新品になっていること、なども大いに影響しているのでしょうが、高々1万数千円の投資としては、満足度の高いバージョンアップでした。
ちなみに、フルリカバリのついでに Windows のテーマもデフォルトの Luna から Royale に変えてみたりして。Luna より絶対完成度高いよなぁ、これ。