「暴走するインターネット」
「暴走するインターネット」
鈴木謙介著。「ビジネス論より文化論が好き」という同僚 O 氏に借りて読みました。
インターネットとはなんなのか?ということを、文系の人が一所懸命考えた、という趣の本です。著者の専門は社会学やら政治やららしいので、テクニカルな面への言及が非常にイイカゲンなのはまぁ目をつぶるとして1、本業なはずの社会学やら哲学やらなにやらからの引用も非常に浅薄なイメージなところはマイナスかなぁ。「〜というのは要するに」とか「〜というのはつまり」というような、一言で言えば、的論説が多いので読みやすいことは読みやすいのかもしれないけれど、テーマがあちこちに散逸して、本書を通して主張したい一貫したテーマ、が見えないので、読み終わった後あまり何も残らない。
O 氏曰く、「この本そのものを楽しむというよりも、この本はネタとして使って、この本で多々言及されている原典にあたるが吉」とのことなんで、まぁそういう本なんでしょうね。紋切り型の議論に落ちこまないよう、しきりに気を遣っているあたりにはちょっと好感が持てましたけれど。
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しかしこれだけでこの本を読むを止めちゃう人も結構いそう(^^;。イメージで大枠を捉えるのも大事だけど、もう少し本質まで踏み込んで欲しい感じ。 ↩︎