birdあわせて読みたい, カート・ヴォネガット・ジュニア

あわせて読みたい

いつも巡回している有名ブログのあちこちで取り上げられ、今、流行っているようなのでここにもつけてみました。
しかしここと「あわせて読みたい」と紹介されているのは全然知らないサイトばっかりだ…(笑。

カート・ヴォネガット・ジュニア

先日亡くなったカート・ヴォネガット・ジュニアの本を2冊まとめ読み。昔、「プレイヤー・ピアノ」は読んだので、今回は「タイタンの妖女」と「ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを」を読みました。

タイタンの妖女 一冊目は、とある大富豪があっちゃこっちゃへ引っ張りまわされ大変な目にあう話。SF、と言うよりユーモア小説 (とあとがきにも書いてあった) という趣のこの作品ですが、「プレイヤー・ピアノ」よりは楽しめたと思う。なんだろ、とっても悲惨な境遇の中での救いというか、どん底まで落ちてから価値観がひっくり返るというか、世の中、一面的な見方をしてちゃダメで、もっと多面的に見よう、という思わせるような本でした。それが「ユーモア」の力なのかな。

そういやちょっとお下品なユーモアと、主人公があっちゃこっちゃへ引っ張りまわされる、という展開から、僕は以前読んだルーディ・ラッカーの「フリーウェア」を思い出したりしました。ちょっと似てると思いません?

ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを で二冊目。こっちはますます SF とは縁遠くなり、とある大富豪エリオット・ローズウォーターと彼を取り巻くさまざまな人のお話。登場人物がすごく多くて、彼らの他愛のない日常が延々ひたすら語られる、という作品なので、「華麗なるストーリーテリング」といったようなものを求めている人にはきっと耐え難い本なような。ただ、「タイタン〜」同様、その読後感は胸にしみるものでした。