Ubuntu Edgy Eft, 最近読んだ本
Ubuntu Edgy Eft
会社の Desktop PC がそろそろリースアップになるため (といってもまだ半年ほどあるのですが^^;)、新しい PC を買ってもらったついでに、その OS もこれまでの Debian sarge から Ubuntu へと切り替えてみました。なお、自宅ではフツーに Windows を使っていたり Mac もどうだ?と思っていたりするワタクシですが、会社では Linux でないと仕事にならんのです (もちろん Windows も必須ではありますが)。
Ubuntu は Debian ベースのディストリビューションで、最近特に人気が高まっているものの一つです。インストール CD が、Knoppix1 のようにブート後そのまま利用可能となるライブ CD 構成になっていたり (HDD にインストールしたい場合はそこからインストーラを起動します)、元が Debian だけに異常な数のパッケージ数を誇っていたりと、なかなかユニークな Distro です。僕が特に魅力を感じたのが、Ubuntu Japanese team によって作成された標準的な Desktop の設定に、IPA フォントが用いられていること。システムフォントや Firefox のフォント設定は、かつての Linux の状況を知るものからすると嘘みたいに「マトモ」です。
現在の Ubuntu のバージョンは 6.10、通称 Edgy Eft と呼ばれるものです。パッケージ構成は結構オーソドックスで、標準デスクトップは GNOME (KDE が標準となる Kubuntu、XFce の Xubuntu というものもあります・笑)、その他 Firefox や OpenOffice などメジャーどころは大抵入っていますが、最近流行りの 3D デスクトップ、Compiz や Beryl は標準では入っていません。今回の PC は Radeon X1300 というグラフィックスボードを積んでいることもあるし、どうせなら、と思ってその手の 3D デスクトップ系にも少し挑戦してみたんですが、ATI から配られている最新の kernel module がどうにもうまく動作せず2、今のところちょっとあきらめ中。もう少しドライバがバージョンアップしたらまた試してみよう。なお今回いろいろやって一つ分かったことは、Linux で 3D デスクトップするなら絶対にビデオカードは nVIDIA 系にしておけ、ということ。ネットには ATI で苦労してる海外の人の悲鳴であふれていますよ(笑。
うまく動かなかった原因はたぶん、その新しい PC の CPU が Athlon64x2 だったので、思わず AMD64 版の Ubuntu を入れてしまったせいもあるのかな。64bit Linux、といっても 32bit のアプリケーションも普通に動かせるので、そんなに苦労しないかな、と思ってたんですが、いやはやどうして。64bit アプリからは 32bit の so は使えない、という点や、ライブラリの場所が違うこと、などが意外にネックで、バイナリ配布しかされていない Flash プレイヤーや Acrobat Reader などを動かすにはちょっと一工夫いる模様。ただ Ubuntu の場合、今そのコミュニティが異常に活発なおかげか、このあたりの問題もほとんどは解決済み→Automatix2 というユーティリティにまとまっている様子なので、他の Distro に比べれば楽なのかも。
というわけで、晴れて僕も「switch to Ubuntu」しちゃいました<ミーハー(笑。
最近読んだ本
この間久しぶりに「アイの物語」の感想を書きましたが、その前後に読んだ本についてもとりあえず記録しておきます。イマイチ印象が薄くて単独のトピックにし忘れちゃったんですよね。
「80 年代 SF 傑作選(上下巻)」
先日読んだコニー・ウィリスの「最後のウィネベーゴ」に、彼女の「わが愛しき娘たちよ」のことが書いてあって、それがこの選集に収録されている、というので図書館で借りて読みました。
お目当てだったコニー・ウィリスの作品も面白かったですが3、その他の作品もとてもバリエーションに富んでいて楽しめました。以前読んだ「90年代SF傑作選」と比べると、こちらの方が骨太な印象。もう一つ印象的だったのは、最近読んだ似たような選集と比べると、選者のコメントの質が段違いに良かったこと。読者と作品と選者という三者の距離を鑑みつつ、しかしその作品への思いいれはしっかり伝える、理想的なコメントだと思いました。
「99%の誘拐」
岡島二人著。近所の本屋でなぜか平積みになっていたのでふと手に取りました。誘拐物のミステリーとしては、その誘拐の手口やらその後のトリックやらはナカナカ斬新だったのだと思いますが、やっぱり斬新過ぎるとその手法自体が結局犯人をあぶりだしてしまう事になっちゃいますよねぇ。まぁそこそこ面白かった。
「宇宙のたくらみ」
J・D・バロー著。自由に思える芸術の世界も、実のところ宇宙の摂理に縛られている。そのことを絵画、音楽などいろいろな面から語った本。
彼の言う「宇宙の摂理」とは、まぁ人間の身体的限界のことだったりサイズに関する物理的制約のことだったりもしますが、一番中心を占めていたのが進化論的必然、つまり適応的であるかどうかということです。人間の快不快には進化論的必然性があり、その事が芸術表現をも規定している、というのがこの本を通して僕が一番強く感じた彼の主張なんですが、僕はどうもこの、進化論に関する結果から原因を論じるタイプの議論が苦手です。「今我々がこれこれこういうことをこう感じるのは、その方が適応的だったからに相違ない」という調子を万事繰り返されると、スティーブン・ジェイ・グールド先生じゃないですが「いや、進化なんてほとんど偶然ですから」と言いたくなってしまいます(笑。ダーウィンの本場、イギリスにはこの手の強い進化論者が多いんでしょうかね…。
ただ、彼の本はもう少し読んでみたくなりました。「天空のパイ」とか面白そうです。
「まだ見ぬ冬の悲しみも」
これまた山本弘著。こちらは「奥歯のスイッチを入れろ」(タイトルから想像されるとおりの内容です・笑)、「バイオシップ・ハンター」(これ、タイトルが良くない気がするなぁ。内容的には一番好きかも)、「メデューサの呪文」(すごいテクノロジーを、それそのものをはっきり書かないことで想像させるタイプの SF。ただオチがイマイチ)、「まだ見ぬ冬の悲しみも」(理屈が破綻してる気がするのは俺だけ?)、「シュレディンガーのチョコパフェ」(アキバ系科学幻想譚…だそうですが、ちとついていけませんでした。いやネタ的にではなく内容的に)、「闇からの衝動」(敬愛する作家へのオマージュだそう) の5編を収めた短編集です。彼の前の短編集、「審判の日」も読みましたが、あっちがホラー小説風だったのに対して、こちらはちゃんと SF してます。
コメント
- かぷぃのすけ (Sun, 01 Apr 2007 21:26:22)
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ウチのはゲホース6600でベリル動かなかったぞ。X300では問題なかった。
ATI系の方が相性いいイメージだがなー。
- Digitune (Mon, 02 Apr 2007 00:39:18)
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ちゃんとベンダー提供のプロプライエタリドライバ入れたかね?>かぴのすけ
何でも ATI 謹製ドライバがバグバグだ、というのが評判悪い理由っぽい。フリードライバでもそれなりに動くが、カリカリに新しいチップへの対応やちゃんとアクセラレーション効かせようと思うと最近はプロプラドライバを入れんといかんらしいのよね。
- かぴのすけ (Thu, 05 Apr 2007 14:46:41)
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CDブートではドライバ変えられないっぽいからな。
ちゃんとしたブツを欲しがってる連中ががっつり金払えば何も問題ないんよね。
利益になるなら企業は必死にバグ取るし。つーわけでお布施が足りないんじゃん。
みんなFelica対応してFelicaで簡単にコンテンツ買えるよーにすればいいのに。
- Digitune (Tue, 10 Apr 2007 20:26:06)
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PS Store は既に FeliCa (というか Edy) に対応しておるぞよ>かぴのすけ
ちなみに FeliCa、っつーのは非接触 IC カード技術の名前なんで、モノを買うにはその上の Edy とか Suica のようなサービスを利用する必要があるな。
- かぴのすけ (Thu, 12 Apr 2007 14:04:37)
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> FeliCa、っつーのは非接触 IC カード技術の名前なんで
うむ。知ってる。
Felicaの仕組みで買えるよーにしてくれってことね。
で、なんでソニー系以外はFelica使わないの?システム導入費ぼったくってるの?