bird「パプリカ」, Dyson の感想

「パプリカ」

パプリカ 筒井康隆著。去年アニメーション映画になったこの作品、その影響で近所の蔦屋で平積みになっていたので読んでみました。ちなみに映画の方はまだ見ていません。

筒井康隆の話の中では、「七瀬」シリーズなんかに近い感じの作品ですね。やっぱりちょっと浮世離れした、おまえは観音さまか、というようなスーパーウーマンが主人公で、どんどんむちゃくちゃになっていく話の展開も似てる気がする。ジャンル的には SF っぽいけど、実は「ハルヒ」とかのラノベとテイストは近いのかもしれない。ああいうのをもっと脂ギッシュにおっさん臭くした感じ、というか(笑。いや、とても面白かったです。断筆宣言直前の 1997 年の作品だそうで、そういう意味では思ったよりも最近の本なのね。

この本を映画化したのは今敏監督で、今敏監督、というと僕は「千年女優」しか見た事がないのですけれども、この本はあまりにもあのテイストにはまりすぎているようにも感じ、どんな風に映像化されているのか、ちょっと見てみたい、かも1

時をかける少女 そういえば、去年アニメーション映画としてリメイクされ話題になった「時をかける少女」も筒井康隆原作でしたね。去年は筒井原作アニメの年だったのね、実は。そういや、「七瀬」も映画化されるんでしたっけ?>だれとなく

Dyson の感想

Dyson サイクロンクリーナー アレルギー DC12plus 先週買った Dyson DC12 plus allergy のもう少し詳しい感想をば。

サイクロンによるごみの分離性能はさすが
ダイソン、といえばその特許技術でもあるところの「ルートサイクロン」テクノロジー。複雑な構造を持つシリンダー内で高速の空気の渦 (サイクロン) を生み出すことで、ごみと空気を遠心力で分離し綺麗になった空気を排出します。最近は国産でも「サイクロン」をうたった掃除機がいろいろ出ていますが、国産のそれらは実際にはサイクロンによる遠心分離はオマケ程度のもので、紙パック式以前の固定フィルター式とほぼ同じ仕組みだったりするのは有名な話。比較的遠心分離している、と言われているシャープのものにしても、ダイソンと比較するといわゆる一つ目のサイクロン (ダイソンでいうと一番最初の、一番大きいごみが分離される部分) しかなく、細かいごみの分離は結局フィルターに頼っています2。ダイソンの場合、外側の大きなサイクロンに引き続いて、5つの漏斗状の「ルートサイクロン」部を空気が通り、細かいごみはここで再度分離されます。この2段目が効いている感じ。2段目のごみはクリアビン内シリンダーの中に溜まるのですが、本当に細かいちりが溜まっているのが分かりますし、ダイソンの場合もサイクロン部の後にプレモーターフィルター (スポンジ+布っぽいフィルターの2段構成。これもウォッシャブルです) があるのですが、それが1週間掃除をした後もほとんど汚れていません。サイクロン部終端の、最後の空気が出てくるところにもほとんどホコリが溜まっておらず (ちなみにシャープのものは結構すぐにそのあたりがホコリだらけになります)、きちんとサイクロン部でごみの分離が出来ていることが伺えます。ちなみにプレモーターフィルターは1年に一度洗浄する必要があります。
いわゆる吸引仕事率は低い
「サイクロンによるごみの分離」の産む負の結果として、サイクロン部におけるエネルギー損失が大きいためか、吸い込みの強さ、いわゆる吸引仕事率は 250W と国産の掃除機と比較すると非常に弱いです。たぶん今メインで売っている国産機の半分にも満たないんじゃないかしら。モーター自身の消費電力は 1000W と国産のそれと変わらないんですけどね。我が家の前の掃除機も 500W 以上あったようなので、例えば試しに前の掃除機のヘッドをダイソンにつけてみたことがあるのですが、吸い込みが弱くてそのタービンヘッドが上手く回らなかったりしました。「吸引力の変わらない、ただ一つの掃除機」という事実のウラには、実はこんなオチもある (なぜなら国産機の吸引力が半分に落ちたとしてもまだダイソンより上だったりするので)、という点は理解しておく必要があるかも。ただ、その 250W という吸引力が実際使ってみてどうか、というと、僕には必要十分なように思います。付属の「クリーンエアタービン」ヘッドがそのような弱い吸引力でもちゃんと動作するように作られているせいもあるし、確かに床に落ちている豆のようなちょっと重いごみが上手く吸い込めないことがあったりするけれど、そんなときでも例えばヘッドを外して吸い込めばちゃんと吸えます。なにより、その強すぎない吸引力は床以外を掃除するとき、隙間ノズルやブラシノズルをつけて棚の上のホコリを吸う、といった作業がとてもやりやすい、というメリットもあります。なお、我が家は全部屋フローリングで、じゅうたんといえばホットカーペットと足拭きマットくらいしかありません。もし毛足の長いじゅうたんの部屋なんかがある家だと、ちょっとあの吸引力では物足りないこともあるのかも。
ヘッドについて(1)「クリーンエアタービン」ヘッド
標準で付いてくる床掃除用の「クリーンエアタービン」ヘッドは、まぁ悪くはないのですが前に使っていたシャープのものに比べるとちょっと小回りが効かないというか、掃除しにくいところがありますね。タービン回転用の動力をヘッドの横に特別に用意されたインテークから流れ込む空気から得ているのですが、そうでなくても弱い吸引力をそんなところでさらにロスしてしまうのはちょっとアホっぽいし、それにそちらの吸引口にもごみが溜まったりするので掃除が必要だったりするのもマヌケっぽい。もちろん、使えないほどひどい、ということはないし、ウチのようにフローリングばかりならばそもそもタービンを回さない、ということも可能 (というか本来はむしろそうするべき) です。ちなみに、ダイソンの本体に、ヘッドは「ミラクルジェット」を組み合わせるのが最強、という説も…。
ヘッドについて(2)その他ヘッド
僕が買ったのは Dyson のキャニスタータイプ DC12 plus の中でも下から2番目の「Allergy (アレルギー)」というモデルですが3、このモデルには標準の「クリーンエアタービン」ヘッドに加え、隙間ノズル、ブラシノズル、カーテン用ノズル、ふとんノズルがついてきます。このうち、オマケのふとんノズル以外の標準の3つはホースに取り付けておくことが出来、掃除中にさっと付け替えることが出来て、とても便利です。特にブラシノズルが超便利。棚の上や細かいところに溜まったホコリを掻き出して吸い込むのにとても役立ちます。これまで使っていたシャープの掃除機には標準ヘッドのほかには隙間ノズル (それも妙に使いにくい代物) しかついていなかったので、ここは大いに良くなった点だと感じています。
音について
ダイソン最大の欠点としてしばしば指摘される音。確かに超爆音です。それまで使っていたシャープのサイクロンもうるさい掃除機として知られている機種でしたが4、それを上回るうるささです。特に高音が響いて耳障りな感じ。ITmedia の記事では、「音もデザインしています」なんて営業の人はすましていましたが、この点はもっと改良されてしかるべきだと思うなぁ。サイクロンを作らなければいけない構造上、難しいのかもしれないけれど…。あ、あと「クリーンエアタービン」ヘッドが思いのほかうるさいです。タービンを回していると「ビーンゴー」という感じの高いノイズが出ます。
その他もろもろ
あゆみさんにも聞いてみたところ、ゴツさやヘッドの使い勝手はそれほど気にならなかった、クリアビンが本当に透明で、ごみが溜まっていく様が良く見えて楽しい、電源ケーブルの巻き戻りが弱い、排気が全く臭くないのはグー、といった感想をもらいました。そうそう、電源ケーブルはなんだか平たくて硬い安っちいケーブルなんですよね。あと、クリアビンからごみを捨てるときのコツがまだよく分からない。マニュアルに書いてあるように袋に下半分を入れてふたを開くと、確かにその瞬間ごみが広がってしまう事は防げるのですが、ふた自身がごみだらけなってしまって後で掃除するのが大変です。ふたを開く前にクリアビンの底をたたいてごみを落としておいた後、ふたが開くところを下に向けてそっとごみを落とす、というのが今のところベストの方法ですが、ごみが溜まりすぎると出てこなくなっちゃいます。ごみをためすぎないでこまめに捨てるのが吉なのかも。

なんだか長くなってしまいましたが、そんな感じ。そういや (上でも書いたけど) Amazon ではなぜか下から2番目のモデル、Allergy が一番安かったのでそれにしましたが、ダイソンはモデルによって色がことなり、DC12 plus allergy はグレーの本体にメタリックブルーのサイクロン部の組み合わせ5。個人的にはその綺麗なブルーがとても気に入っています。

2/19 少し追記&修正しました。

コメント

KenG (Sun, 18 Feb 2007 09:32:36)
うちのダイソンはもう5年選手ですが、たとえ五月蝿かろうが、たとえ小回りが利かなかろうが、もーダイソン以外は考えられません。ヘッドの取り回しは、最初ボクも違和感ビシバシでしたけど、すぐに慣れました。イヤフォンで音楽聴きながら、ボケーッと同じところを何度も掃除する…このスタイルがダイソン流、なんて言えるのではないでしょうか(笑)。
新型で何が羨ましいって、ホースが本体に巻けるところですよ。うちのダイソン、それできないんだもん。本体もデカイし。まあ、小型化したから音がでかく(しかも高音に)なったってよく聞きますが。
(Mon, 19 Feb 2007 09:45:53)
公平で詳しいレポート、とても参考になります。ありがとう。
透明なビンにゴミが溜まっていくって楽しそう。掃除の動機につながりそう(笑)

掃除をマメにする人、排気に敏感な人にぴったりで、掃除機かけを楽しめる…って
感じだろうか。
KenGさんのコメントにも笑いました〜。
KenG (Mon, 19 Feb 2007 10:59:30)
確かに掃除機かけが好きになるかもしれませんね。貯まっていく埃が見えるのって、掃除機かけの大きなモチベーションになりますよ。まるで、徐々にお金が貯まっていく通帳を見るような…。ま、そんな通帳、ここしばらく見たことないんですけどね :)
(Mon, 19 Feb 2007 23:13:58)
なるほど〜。(←いや、通帳のことではなくて)
こんなにきれいにした!って成果が目に見えるわけですもんね。それは楽しい…

  1. いろんな意味で(笑。 ↩︎

  2. 我が家で使っていた EC-BT2 もサイクロン部直後にスポンジフィルターがありますが、そのフィルタは1回掃除機をかけただけでも真っ白に汚れてしまいます。洗えば何度も使えるとはいえ、所詮スポンジフィルターでは取れるごみのサイズにも限界があります。 ↩︎

  3. Amazon ではなぜかこのモデルが一番安かったのです…って、今見たら値上がりしてるし! ↩︎

  4. 後継機最大の改良点が静音化、だったりしました(^^;。 ↩︎

  5. ちなみに他のモデルのカラーは、安いほうから entry がイエロー、animalpro がパープル、complete は…ゴールド? ↩︎