謹賀新年, 「ひとりっ子」
謹賀新年
(遅くなっちゃいましたが) あけましておめでとうございます。
去年は文字通りあっという間に過ぎてしまった一年でした (去年の初めには無事年末を迎えられるとはとても信じられなかったものだけれど…^^;)。今年はいったいどんな一年になるのでしょうか。ある意味去年より重要な一年だよね>だれとなく。
そうそう、最近、この「memo」のありようについて少しいろいろ考えています。きっかけは「死」について考え始めたこと。といってもそんな大げさなものではないのですが、今、このサーバは自宅に置いてあるおうちサーバでサービスしていて、いろいろ融通が利いて便利な反面、もしある日僕が突然死んじゃったら、たぶん誰もメンテナンス出来ずに、ある時ひっそりと電源を落とされる運命なんだろうな、と気が付いたんですよね。
僕は常々、一度 Web 上に上げたコンテンツは可能な限り消すべきでないと思っていて (そうでないと Hypertext としての本質が失われてしまう)、そう考えると、情報が一個人の生死に依存している状態、というのは好ましくないと思うわけです。
そんなこんなで、正月休みの間に少し、各種 Blog サービスについて調べていたりしました。もしかしたら近々どこかのサービスへ引っ越しするかもしれません。作者が死んでもコンテンツを維持してくれるサービス、なんてあんまりないのかもしれないけど…(笑。
それでは、今年もよろしくお願いします。
「ひとりっ子」
グレッグ・イーガンの日本オリジナル新作短編集です。「行動原理」「真心」「ルミナス」「決断者」「ふたりの距離」「オラクル」「ひとりっ子」の7編が収録されています。「ルミナス」は 90 年代 SF 傑作選(下)にも収録されてましたね。
「行動原理」はイーガンの出世作にあたる初期の作品で、「ひとりっ子」は最近の作品だそうなので、結構著者の幅広い年代の作品が収録されているらしい本作、個人的には表題作「ひとりっ子」とその姉妹編「オラクル」が面白かった。ネタばれせずに感想を書くのが非常に困難な2作ですが、一言で言うと相変わらず僕は出産というテーマに弱いなぁ、って感じかな(笑。
今回が再読となった「ルミナス」も、改めて面白いと思いました。イーガンの本って、普段 SF だけを読んでいても実はあんまり楽しめなくて、SF も読むけどポピュラーサイエンス本も読む、僕のような読者にぴったりなんじゃないかと思ったり。「ルミナス」に関して言えばゲーデルのアレについては多少なりとも知っていたほうがより楽しめるし、「オラクル」「ひとりっ子」についてはペンローズやチューリングに関する本を読んでいるとより楽しめると思う。他にもミンスキーやデネットあたりは読んでおくときっと吉。この辺は「読んでて当然」レベルといってもいいのかもしれないけれど…。