「ドゥームズデイ・ブック」, 花火, 「立喰師列伝」映画化?!
「ドゥームズデイ・ブック」
先日読んだ「犬は勘定に入れません」と同じく、コニー・ウィリスさんの本。「犬は〜」のところでも書きましたが、ダンワーシイ教授の出てくる同じシリーズものでありつつ、「犬は〜」がコメディだったのに対しこちらは悲劇。14世紀と21世紀で起こった伝染病蔓延の恐怖が、中世史研究者キブリンとそのチューターを引き受けたダンワーシイ教授の視点から平行して描かれています。
タイムトラベルものとしての基本的なシステムは「犬は〜」と同様で (というかこちらの作品の方が先)、「ネット」と呼ばれるタイムマシンがあり、「ネット」を用いたタイムトラベルにおいては、パラドックスはそもそも許容されません1。物語の初めからいくつもの謎が投げかけられ、その謎をめぐる序盤の緊張感と対照的な中世の人々の生活、また中盤過ぎにその謎が解明されてからの怒涛の展開はさすが。僕は「犬は〜」を読むまで知らなかったんですが、著者のコニー・ウィリスさんはルグィン、ティプトリーに続く現代 SF 界で最も重要な女流作家なのだそうで、ここ最近ヒューゴ賞やネビュラ賞といった SF 界の各賞を総なめにしているとか。その割には日本での知名度はあまり高くないような気がするけど、僕が SF に疎いだけかな?
この本を読んで、「悲劇」を描いた作品を読むのは実は久しぶりなのかもしれない、と改めて思いました。この本は悲劇だけれど、お涙頂戴路線というわけではなくて、適度にユーモアも織り交ぜつつ、人間の生き方、「モラル」というものを思い出させてくれる本。そういう意味では、あとがきでもあったように、オースン・スコット・カードの「死者の代弁者」に近い印象を僕も持ちました。「死者の〜」は有名な「エンダーのゲーム」の続編ですが、僕は「死者の〜」の方が好き。
花火
先週の金曜日の夜、いつものように白糸台駅を降りたら、正面にきれいな花火が見えました。どこの花火だったのかなぁ。
「立喰師列伝」映画化?!
上のゲーム watch の記事ではじめて知ったんですが、押井守監督の「立喰師列伝」って映画化されるんですね。すげぇアホ映画になりそうな予感。何気に期待大かも(笑。
コメント
- SAK (Mon, 29 Aug 2005 13:32:46)
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「立喰師列伝」は期待の作品であるな。
イノセンスの1/20という膨大な予算と、I.G社長の「作らせてもらえるだけ
ありがたいと思えっ!」といった暖かい言葉に支えられ、押井の立喰師ワールドが
Production I.Gの手によるCGによって誕生すると。
どうも、フルCGといっても、「ミニパト」調の作品になるらしいが。
月見の銀二が一生かけて求めた景色が、いまここに映像化されるというわけだなヽ(´ー`)ノ
渋谷あたりでの単館上映っぽいが、ちゃんと観に行けよ。>でじつね氏
- Digitune (Wed, 07 Sep 2005 16:50:44)
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僕は見に行かないよ(;´Д`)>SAK
君はどうせいくのだろうから、そしたら感想を聞かせておくれ。
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パラドックスを起こしうるようなものは過去へは持っていけない&過去から持ち帰れない。ならばどうしてもっともパラドックス源となりそうな人間のタイムトラベルが許されているのか、は謎ですが(笑、人の行動により歴史が変化しそうになると、時空連続体はネットの挙動や偶然事を操作して自己修正しようとする、という設定です。 ↩︎