ディスククラッシュ事件(1), ディスククラッシュ事件(2), ディスククラッシュ事件(3)
ディスククラッシュ事件(1)
いちおう、トップページからたどれる what’s new のページには第一報を載せてたり、その後 mixi ではちょぼちょぼと情報を公開したりしてたのですが、こちらにも情報を載せておきます。
ことのおこりは、6/4 (土曜日)、PC を使っていたところ、いきなりフリーズに近い状態になったことから始まります。当初、クソ重いバックグラウンドプロセス (memo の記事を連続取得するクライアントの存在など) が動き出したのかと思ったのですが、いつまでたっても状態が回復せず、そのうちよーく耳を澄ましてみると「じー…かっこん、じー…かっこん」というイヤーな繰り返し音が HDD から聞こえてきました1。
フリーズに近い状態、といっても、非常に遅いですが何とか操作出来る状態ではあったので、システムログなどを確認してみると、HDD がクラッシュしたことを表す「Uncorrectable error」が大量に出ています。
ここで、HDD 上の読めない部分がデータ領域の一部だけなのか、それともヤバい部分なのか、はまさに時の運で、僕がこれまで経験した2回のクラッシュ (やっぱり HGST の 40Gbytes HDD と 60Gbytes HDD) では幸いデータの一部が読み取れなかっただけですみました。今回もそうであることを願って、いったんシステムをリブートしてみることにしました2。
しかし今回は×。MBR の読み込みには成功しているようながら、その後のブートプロセスの途中で固まってしまいます。
その後、今年の1月にハーフクラッシュ (データ領域で Uncorrectable error 発生) して予防交換していた 60Gbytes の HDD に交換し起動、外付け HDD ボックスにこれまで使っていた 80Gbytes HDD を入れて中身を確認してみようとしましたが、やはり全く内容を読むことは出来ませんでした。なんてこった!
…とはいえ、今年1月までメインで使っていた 60Gbytes HDD は中身そのままで残っており、その後更新されたデータの中でも重要な、メール、デジカメの写真、memo の記事などは daily であゆみさん PC 側にバックアップを取っていましたので、データロスト被害自体は大したことないのでした。バックアップ大切!
さて、今の HDD は今年の1月に交換したばかりです。ふと、もしかするとまだ保証期間内かもしれない、と思い、書類を引っかき回してみると、ちゃんと1年間有効な保証書が出てきました。ちゃんと日付の入った店舗印も押されています。やった!
ちなみに、保証期間内ということで修理に出すと、確かに費用は全くかからず良いのですが、修理から戻ってくるまでとても時間がかかります。以前やっぱり HDD の初期不良に当たった時に修理を依頼したことがあるのですが、その時も2〜3週間くらいはかかりました。その点、代替品を買ってくればすぐに復旧作業にかかれます。ちょっと悩んだんですけど、我が家の苦しい家計のことを考えて、今回は修理に出すことにしました。2〜3週間 PC が使えなくてもまぁなんとかなるだろう、と考えたのですね。
その後週明けの 6/6 (月曜日)、会社帰りに壊れた HDD と保証書を持って HDD を購入した九十九電機へ修理に出してきました。
ディスククラッシュ事件(2)
さて、HDD が修理から上がってくるまでの間、Web やメールはあゆみさんマシンを借りて見れば良いとして、www.digitune.org のリダイレクトやここ memo.digitune.org のサービスはどうしよう、と思っていたところ、はたと Linux Zaurus の存在を思い出しました。
リナザウ、ちょっと前まではシリコンオーディオプレーヤー代わりに毎日音楽を入れて持ち歩いてたんですけど、いろいろめんどくさくなってきたのと、電池が弱まってきたことで最近は引き出しにしまいっぱなしになっていました。そういえば以前触っていた時に、「想像以上に普通の Linux マシンだなぁ」と感じたことを思い出して、もしかしたらコイツの上で apache 動かせるかも…と思い、少し調べ始めました。
最近全然使っていなかったので、まず何よりネットにつながるのだろうか…と、リナザウ用に以前買った IODATA の WN-B11/CF を取り出し、おもむろに接続を試みます。昔は確かごく普通につながったはず…なんですが、妙に通信が安定しません。
そうこうしながら2〜3日経つうちに、とうとうリナザウから全く通信が出来なくなったのみならず、あゆみさんマシンからもどこにもつながらなくなってしまいました。
我が家の家庭内 LAN は無線 (802.11b) がメインで、アクセスポイントとして Corega の APL-11 という安い AP を使っていました。この AP は安いだけあって、高負荷時にたびたびハングアップしたりして、そのたびに電源を入れ直したりしなければなりませんでした。
今回も AP がハングしたのだろうと思い、何度も電源を入れ直してみますが、全くつながりません。完全にお手上げ状態です。
昼休みが終わってしまったので続きはまた後ほど。
ディスククラッシュ事件(3)
とはいえ、その時の段階ではまだアクセスポイント (APL-11) が原因とは言い切れませんでした。というのも…と、説明をはじめる前に、今回のことが起こる前の我が家のネットワーク構成は次の通りでした。
+---+ +------+
|PSX|==|APL-11|
+---+ +------+
+----+ +-----------+ +---+
|VAIO| |ThinkPadX20| |DEC|==Internet
+----+ +-----------+ +---+
アクセスポイント APL-11 の下に有線で PSX がぶら下がり、あゆみさん PC であるところの VAIO、memo.digitune.org をサーブしているマシンでもあり僕の日常 PC でもある今回 HDD が壊れた ThinkPad (以下 tpx20)、Internet への出口となっている router 兼 firewall 兼 DHCP server 兼 cache DNS サーバの DEC HiNote Ultra 4133CS (以下、hytra) が無線 LAN クライアントとして存在する、という構成です。
もともとは APL-11、PSX と同じ場所に Internet との接続口があったのでもっと素直な構成だったんですけど、接続口が移動してしまったために hytra のみ移動せざるをえなくなって、VAIO や tpx20 から Internet へアクセスするのに無線 LAN 区間を2回も通らなければならない構成になってしまいました。ちなみにリナザウも VAIO や tpx20 と同じく無線 LAN クライアントとして存在することになります。
さて、以上を踏まえ改めて今回 VAIO やリナザウからの通信が出来なくなった原因を考えると、もちろん APL-11 が壊れた、という可能性もありますが、hytra が壊れた (または狂った) という可能性も考えられるわけです。さらに、無線 LAN ということから故障ではなく単なる混信、という可能性も考えられます。なお、その先の Internet 回線がおかしい可能性に関しては、外から hytra までは問題なくアクセス可能な点、通信の出来ない VAIO ではそもそも DHCP がうまくいってないこと、などから早い段階で否定されていました。
というようなわけで、もう少し原因について調査してから対処を考えようか、それともすぐ APL-11 の代替品を購入してしまうか、と悩んでいたんですけれども、あゆみさんに相談してみると、PC が二日間も使えないと生協の注文が出来ず非常に困る、という意見が出ました。そこで、原因究明的には今ひとつ中途半端でしたが、とりあえず APL-11 の代替となる AP を会社帰りに買って帰ることにしました。
さて、どうせ新しい AP を買うのであれば、ネットワーク構成をそのままで AP だけ交換しても面白くありません。そもそも Internet に出て行くのに2回無線 LAN を通過する構成を何とかしたいし、10年選手の hytra もいつ壊れてもふしぎはありません。そこで、これを機会にネットワーク構成を下記のとおり変更することにしました。
+---+ +--------+
|PSX|==|WN-G54/A|
+---+ +--------+
+----+ +-----------+ +--------+
|VAIO|==|ThinkPadX20|==|BLW-54PM|==Internet
+----+ +-----------+ +--------+
WN-G54/A は iodata のメディアコンバータにもなる 802.11g 対応のアクセスポイント、BLW-54PM は planex の 802.11g 対応無線 LAN ブロードバンドルータです。新しい構成は、BLW-54PM を router 兼 AP として動作させ、WN-G54/A はメディアコンバータとして動作、無線 LAN クライアントとしては WN-G54/A (とその下にある PSX) とリナザウのみを含むようにしようと考えました (PC 達は全て有線接続にしてしまう)。
そして先週の金曜、会社帰りに新宿のヨドバシカメラに立ち寄り、WN-G54/A と BLW-54PM を購入しました。その後家に帰ってすぐ、とりあえず緊急度の高い BLW-54PM の設定を済ませてしまおうといじり始めました。
最初、有線で無事 Internet につながることを確認した後、無線 LAN の設定に取り掛かりました。SSID の設定、利用チャンネルの設定、WEP キーの設定などを行い、疎通を確認してみますが、一向につながりません。リナザウからもダメ、あゆみさん PC にインストールされた BUFFALO WLI-PCM-L11 とクライアントマネージャの組み合わせでもダメです。クライアントマネージャの動作をよく見ていると、AP は普通に発見でき、コネクションも確立しているように見えるのだが、その後の DHCP 解決が出来ない、という症状です。チャンネルを変えてみたり、WEP キーを使わないようにしてみたりしましたがどうしてもダメです。とりあえずあゆみさんの生協の注文は有線で接続して行ってもらう事にしました。
その後もしばらくいろいろ試していたのですがいかんともしがたく、最初 planex の Web サポートフォームから質問を送ってみることにしました。ところが、Web フォームに詳細な障害内容を記述してさぁいよいよ submit、と送信ボタンを押したとたんに「Internal Server Error」。何度か挑戦してみましたが一度も成功せず、planex の Web サポートフォームはまともに動いていない、ということがよくわかりました。
planex の BLW-54PM という製品に関しては、今回僕が陥った症状と似たような症状で交換している人もいるようで、また普通に通信できると思っていた有線による接続も何故か Hotmail や楽天のクジが使えない、とあゆみさんにも報告をもらい3、どうもあまりよい製品ではなかったようです。planex の電話によるサポートは平日の 9:00〜17:00 しか受け付けていないため、それを待っていたら遅くなってしまいます (それにメーカー修理となるとセンドバックだったり時間がかかったりといろいろ面倒です)。しょうがないので、ダメもとで今回 BLW-54PM を購入したヨドバシカメラに相談してみることにしました。
ヨドバシカメラの代表番号から担当売り場へ電話を回してもらい、今回の症状をざっと説明した後、たぶん不良品だと思われるので代替品と交換したいこと、また出来れば今回の件で planex の製品には懲りたので別の会社の製品と交換できないか、と相談したところ、いともあっさり「よいですよ」というお返事。レシートと製品を持っていけばそちらを返品して別製品を買うことも問題ない、とのことでした。店員さんの対応もとてもスムーズ、紳士的で、ヨドバシ、なかなか社員教育が行き届いているじゃないの、ととても感心してしまいました。
というわけで早速先週の土曜日、ちゃんと動かなかった planex の router とレシートをもって再度ヨドバシカメラへ行ってきました。電話での応対通りスムーズに返品処理を完了した後、店員さんとちょっと相談して、結局代替品としては NEC の Aterm WR6600H という製品を選びました。planex のものと比べると多少高くなってしまうのですが、スループットが良かったり 802.11a にも対応していたりと、無線 LAN ブロードバンドルータ的には一ランク上の製品です。帰宅後、早速セットアップ。何の問題もありませんでした4。というわけで、我が家の新ネットワーク構成は下記のとおりとなりました。
+---+ +--------+
|PSX|==|WN-G54/A|
+---+ +--------+
+----+ +-----------+ +-------+
|VAIO|==|ThinkPadX20|==|WR6600H|==Internet
+----+ +-----------+ +-------+
その後、今回買った WR6600H という製品についてもいろいろ調べてみましたが、値段の割にスループットもよいし、機能的にも充実していて、そこそこ評判はよいようです。すでにわかっている難点は、1) NAT エントリが 2048 個しかなく枯渇した場合もサイクリックに強制再利用してくれるわけではないため、沢山セッションを作るようなアプリケーションを使っているとつながらなくなる事があるらしいこと、2) LAN 内サーバを外部に公開するためにポートフォワード設定をしても、LAN 内のマシンからはアクセスできない、という点がありますが、前者は今のところその手のアプリケーションを使う予定はないので問題なし、後者も hytra を router として使っていたころも同様の動作だったので気になりませんでした5。
ここ1週間くらいの間に行った作業はだいたい以上です。いやークタビレタ。
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HDD からこういうやけに定期的な音が聞こえてきた場合は要注意!です。 ↩︎
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システムをリブートすることで、その読めない部分を読もうとしていた処理をキャンセルすることが出来、その場合前と同じ動作をしない限りしばらくは動作させることが出来る。 ↩︎
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BLW-54PM 経由で使えなかった、まさに同時刻に京ぽんからアクセスしてみるとごく普通にアクセスできた事から、原因は BLW-54PM にあるのではないか、と考えました。 ↩︎
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もちろん、Hotmail や楽天のクジにもごく普通に接続可能でした。 ↩︎
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hytra 上ではその為の対処としてローカル DNS サーバを立てて運用していましたが、WR6600H ではその手は使えないため、ローカル Web サーバの名前を個々の端末の hosts ファイルに登録する、という方法で対処しています。 ↩︎