「アインシュタイン伝」, 花
「アインシュタイン伝」
ご自身も数学者である矢野健太郎さんにより書かれた、アインシュタインの伝記です。今年 2005 年はアインシュタインが特殊相対性理論他3本の論文を発表した「奇跡の年」1905 年からちょうど百年にあたるため、各地でアインシュタインの業績を偲ぶイベントが催されているのだそうな。この本が平積みになっていたのもたぶんそういったことが理由でしょう。
伝記、といっても、アインシュタインと彼を取り巻く人の人間ドラマを綿密な調査により深く掘り下げた…というタイプの本ではなくて、かといってアインシュタインの理論に注目し過去の理論との違い、その理論の巻き起こした波紋を追う…というタイプの本でもなく、アインシュタインのいたプリンストン高級研究所で2年間ともに研究した矢野先生が、尊敬し憧れるアインシュタインの一生を、大きな共感をもってまとめた本、という印象です。矢野先生ご自身が研究者であるためか、人間ドラマと物理理論の比重で言えば若干後者の方が丁寧に書かれている印象がありますが、僕のような一般人が読んでも十分分かるよう易しく書かれています。
僕としては、一般相対性理論発表後のアインシュタインが、いったい何を考えていたのかにもっと細かくふれられていると良いと思いました。有名な量子論を巡るニールス・ボーアとの論争とか、統一理論に対するアインシュタイン自身の紆余曲折と、そこから現在の理論物理学がどのような道を経てきたか、などです。この辺のことが詳しく書かれた本、ってあるのかしら?
花
近所に咲いていたかわいい花。なんて花だろ?