birdMicrosoft、Groove を買収, 「第四間氷期」

Microsoft、Groove を買収

結構びっくり。Groove といえば Lotus Notes を作ったレイ・オジーの会社で、P2P 型のグループウェアをメインにしていたところ。つまり、これで MS はプロダクトレベルの P2P 技術を手に入れたことになります。
GDC でも Xbox 向け P2P 型のネットワークサービスについて語っていたようだし、MS が推進する P2P な世界の今後に興味津々です。

「第四間氷期」

第四間氷期 安部公房さんの SF 小説。解説では「実験小説」と書かれているけど…。大量のデータを元にあらゆることの論理的帰結を導き出すことの出来る「予言機」が発明されたことから巻き起こる様々な騒動を描いた作品です。

単に「予言機があったらどうするか?」というレベルの話ではなく、あとがきで作者自身が書かれている通り「未来と現在の関わり」に関する強いテーマ性がある点が、単なる SF 小説ではなく「実験小説」と言われている理由なのかなぁ。お話的にはサスペンスタッチの SF で、どことなくこないだ読んだハックスリーなどを思わせるような雰囲気です。このお話も 1950 年代に書かれたものですが、ハックスリーにしてもこの本にしてもヴォネガットにしても、未来社会が極めて論理的であると想像している点が、今の僕から見るととても面白い。まだその時代には「複雑系」や「カオス」といった概念は知られていなかったのだなぁと思いました。

そういう意味じゃテクノロジー予測、という面からこの小説を見るのは正しくない、というかあまり面白い読み方とは言えなくて、やっぱり上でも書いた「未来と現在の関わり/関係性」の部分を読むべきなのでしょう。ある意味衝撃的な問いかけなのですが、不思議と納得出来る感じ。結構面白かった。

そうそう、現代の小説と安部公房さんの小説を比べると、比喩の使い方やその感覚が微妙に違っていてなんだか新鮮でした。「砂の女」を読んだ時はそれほど感じなかったのにな。

コメント

ねおん (Sat, 12 Mar 2005 22:34:13)
P2Pで提供されるサービスが、C/Sのものと変わらなければ、コスト面以外はあまり広まらないじゃろうなあ。
SAK (Thu, 17 Mar 2005 23:56:44)
最近更新サボってるようなのでネタ振り。
Grooveって何よ? 初めて聞いた。解説きぼん。
ねおん (Mon, 21 Mar 2005 23:25:40)
と振ってもノーレスじゃなあ、つーことでワシがw

Grooveつうのは、よーするにNotesのP2P版じゃな。つうかサイボウズの、かw
5、6年前に話題になったのお。ワシもちと注目しとった。

さいきんだと例の津波被害の時に、情報共有の場として活躍したらしいの。
ま、チャットとスケジュール表と掲示板とメーラーが合体したよーなもんじゃ。
さいきんじゃblogでじゅーぶんかのお。
Digitune (Tue, 22 Mar 2005 22:09:13)
ねおんさん、どうもすみません。

Groove が話題になっていたのって、もう 5,6 年も前になるのですね。Jnutella-ML とかで結構活発に議論がなされていた時代。梅田さん、お元気かしら…。

Notes も分散指向のシステムでしたが、Groove はそれをもっと進めたもの、って感じなのかな。