「夏の朝の成層圏」, DMC-FX7 のレビュー
「夏の朝の成層圏」
池澤夏樹さんの「楽しい漂流生活」のお話。いやもちろん漂流なんて大変な事態ですから、主人公は死にかけたりもするんですけど、全編を読んで感じるイメージはやっぱり、「楽しい漂流生活」。
「生きるための作業」に忙殺されて余計なことを考える暇がないことの不思議な幸福感についてなどが語られるわけですけれども、そこから文明批判といった方向へ流れるのでなく、あくまでも主人公の個人的な感覚、認識の話、つまりしっかり身体感覚から発せられた思考に終始するあたり、僕はとても好ましく思いました。無人島にたった一人で何ヶ月も暮らしていながら、その島での生活も所詮都市での生活の鏡像に過ぎない (本当に島に住んでいるとは言えない)、と言ってしまう謙虚さ。「素晴らしい〜」でも感じましたが、池澤さんはいろいろな面で謙虚ですね。
叙情的 (って言うのかな?) な文体に加え、お話の内容的にはなかなか荒唐無稽で、結構「古き良き物語」っぽいのかも。間違っても「[蝿の王](http://www.amazon.co.jp/gp/product/4102146016 /ref=as_li_tf_il?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4102146016 &linkCode=as2&tag=digitmemo-22)」みたいな話ではないのでご安心を(笑。
DMC-FX7 のレビュー
AF が迷いがちであるとか、ホワイトバランスを時々外すなど、普段 LUMIX を使っていて感じることがいろいろ書かれていていちいちうなずく。
先週、DMC-FX7 や DMC-FZ3 などを触ってきましたが、速くなったと言われている AF もそれほど劇的には変わっていませんでした。倍速の3点測距モードも確かに多少速くはなるのですが、ただどうも「液晶のリフレッシュを停止させて速度を稼ぐ」方式らしく、AF 中液晶画像が停止してしまいます。