最近、「剣」が面白くなった理由, 「すばらしい新世界」, 「バグズ・ライフ」
最近、「剣」が面白くなった理由
をよーく考えてみたら、みゆきさんと望美ちゃんが出てくるようになったからかも…と思った。
「すばらしい新世界」
風力発電用の風車を設計している一人のエンジニアが、ふとしたきっかけでヒマラヤの奥地にある貧しい村のための小さな風車を作ることになり、その出来事を中心に、家族のこと、信仰のこと、援助とは何か、ボランティアについてなどさまざまなことを考えるお話1。池澤夏樹さんの本です。
池澤夏樹さんと言えば、高校生の頃にすごく好きでよく歌った「ティオの夜の旅」という曲の詩が池澤さんでした。「夏の朝の成層圏」にある詩なのでしょうか (このタイトルと同じ歌詞も出てきます)、その詩は男性的で非常にスケールの大きい感じだったので、小説もそんな感じなのかなぁと思っていたのですが、この話はどちらかというと僕のようなまだ若い技術系エンジニアの身の丈視点で書かれていて、その点は少し意外でした。でも面白かった。
ちょっとテーマが散漫な感じだったりストーリー的にはいろいろ唐突だったりもしますが2、全体のトーンはとても優しく、理系的素養を持ちつつも、人間自身、さらに霊的なものにも健全な共感を感じる主人公に、僕もすっかり共感してしまいました。これまでの都市集中、中央集権的な流れから、風力発電は必然的に分散を要求する (自然エネルギーは密度が低いので分散させざるを得ないのです)、という話もよかった。そろそろそういうパラダイム・シフトが起こってもいい頃合いだと思うんですよね。
「バグズ・ライフ」
弟に、子供達用のプレゼントとしてもらった DVD をみんなで見ました。面白かった!
見終ってから考えたんですが、この映画の主張ってまさにガンジーさんの主張なのですね。フリックの「困るのはアリじゃない、バッタだ」とか「アリの方が本当はずっと力がある」というようなセリフも、ガンジーさんがインドの人達に言っていたことそのままのように思います。鳥作りの時もその後ホッパーに痛めつけられていた時も、フリックやアリたちは暴力に訴えませんでしたし… (脅すようなしぐさはしていましたが)。←思いっきりみんなで追いたててましたね(^^;。ガンジーさんはそういう性急な行動は戒めていましたが (実際の話でもそういう行動に出る若い人は後を立たなかったのだそうです)、まぁそこは映画なので劇的な展開の方を優先したんでしょうね。
子供達としては「虫から見ると雨つぶはすごく大きいものだ」という点がすごく新鮮だったようで、それ以降雨を見るたびに「ほんとにアリさん溺れちゃいそうだねぇ」と感心しています。あと、特典映像として入っている「ゲーリーじいさんのチェス」も何故かみんな大好き。