「壊れた脳 生存する知」
「壊れた脳 生存する知」
3度の脳卒中により高次脳機能障害を患った整形外科のお医者さんが、患者の視点から見えること、感じることを記録した本です。
高次脳機能障害とは、脳に受けた障害により、物の認知や注意が難しくなってしまう病気のことです。最初読み始めた時、この本の文字が非常に大きいことに驚いたのですが、彼女自身が障害を患った結果字を読むのが非常に難しくなってしまったこともあり、彼女と同じような高次脳機能障害を患っている人たちにも読みやすいようにと、そのようにしたのだそうです。
そう、この本はとてもポジティブなエネルギーに溢れています。高次脳機能障害の程度としては彼女のものはかなり深刻なものなのだそうですが、にもかかわらず社会との関わりを失わず、シングルマザーとして一人息子を育てながら最終的には職場復帰まではたしています1。あたかもさらりとそういったことをしたかのように書いてありますが (メインは自分の病気により世界がどう変わって見えるか、という点にフォーカスしているので)、きっと、その影にはものすごい努力があったのだろうと思います。そのポジティブパワー、僕は尊敬します2。