apache の名誉挽回, ゲームマシンのアーキテクチャ, ありえない
apache の名誉挽回
イマイチ結果に納得できなかったので、
- prefork MPM な apache2
- 手元でコンパイル、ほとんどデフォルト設定の apache1.3
でも試してみたところ、小さなファイルでは全て一昨日の apache2 worker MPM とほぼ同等の性能が出ました1。やっぱり速いじゃん、apache。
ところで大きなファイルの場合は、手元でコンパイルしたデフォルト設定のものでも apache2 と apache1.3 の間には大きな差があり、大きなファイルの転送時の効率は apache2 の方が明らかに良さそうでした。
woody 標準の apache が遅い原因はまだちゃんと調べてませんが、考えてみたらバイナリは標準とはいえ、設定については name based virtual host の設定とかされてたりしてあんまり標準的ではないことに気がついたりして…。
ベンチマークは難しいね、やっぱり(汗。
ゲームマシンのアーキテクチャ
マイクロソフトの「XNA」が発表になったりしましたが、次世代 PS 等将来のゲームマシン、というかエンタテインメントマシンのアーキテクチャについてふと考えてみました。
「エンタテインメント」2の本質が「体験を通して感情を動かすこと」だとすれば、物理デバイスと切り離されたファミコン以降のゲーム機が目指さなければならない方向のうち、もっとも計算量が必要な方向は「計算的に現実感を創出する」という方向です。ちなみにイノヴェイティブな手法でピンポイントにとんでもない「リアリティ」を生むことも可能なわけですけれども、そちらはマシン・アーキテクチャとの相関がそれほど高くない (必ずしも計算量を必要としない) のでとりあえず置いておきます。
「現実感創出」のための一つのピース、3D グラフィックスのクオリティ向上に向けては、昨今の PC ゲームの世界を見ていても、nVidia vs. ATI を始めとして各ソフトウェアベンダー間でも極めて競争が過酷なこともあり、相当スゴイ世界が繰り広げられていますが、もう一つのピース、物理シミュレーション系の話は、Half-Life2 など一部そういったことを売りにし始めているゲームも出てきているとはいえ、まだ 3D グラフィックスほどの盛り上がりが見られません。
将来のゲームマシンには、「物理シミュレーションを効率良く実行する」という特性がある種必須なのではないかと僕には思えるのですが、これって今の PC のアーキテクチャの延長線上で考えるのは難しいんじゃないかと思うんですよね。根拠はまったくなくて、強いて言えば「(将来構築される物理シミュレーションモデルはきっと) 並列度が極端に高い処理だろう」、と僕が想像しているからだけなんですけど。
えーとつまり、3D グラフィックスがシェーダモデルを構築しそれに最適化されたハードウェアを生み出してきたように、物理シミュレーションの世界でも何らかの計算モデルを構築し、それに最適化されたハードウェアを設計する…という流れが出て来るんじゃないかと想像しているわけです。
次世代 PS に搭載される予定の「Cell」が、そこまで考えられて作られているといいんだけど (例えば、順序は逆だけど初めから Cell に最適化された物理シミュレーションモデルが用意されている、とか…)、うーん、なんとなくビミョー(笑。
ありえない
六本木ヒルズで起きた回転扉での死亡事故について、ドアに挟まれることを防止するセンサーに死角があった、との報道が。
もし本当だとしたらとんでもない話です。その「安全装置」の設計者は、何を守るべきかを全く理解できていなかったとしか思えない。
昨今の情報漏洩事件での漏洩させた当事者の弁に、「(もし情報漏洩させたことが注意義務違反に当たるなら) ガチガチのセキュリティをかけているごく一部の上場企業以外は、どこも個人情報を扱うことが困難になるのではないかとも思う。」なんて話が出ていて失笑したんですが、これも同じですよね。何を守るべきなのか、をきちんと理解していれば、(一部上場企業にしか賄えないほどの・笑) 無尽蔵にコストがかかることなんてなくて、現実的なレベルに落とし込むことが可能なはずです。
なんとなーく「安全装置が必要と言われたので付けました」とか「とりあえずよく分からないけど SSL にしましたから安心です」というレベルの認識で設計されている気がするなぁ。仮にもエンジニアなら、その「設計の意図」を胸を張って説明出来るくらいでいて欲しい。トレードオフに埋もれた現実も理解出来るけど、かといって本質を見失ってはどうしようもないよ…。
コメント
- かぴ3 (Sun, 28 Mar 2004 00:46:52)
-
安全装置のついてない物の方が多いからなぁ。世の中。タンスのカドとか。
- うさ (Sun, 28 Mar 2004 01:26:29)
-
「現実感創出」がそんなにゲームを面白くするのに重要かぴょん?
物理シミュレートできるマシンスペックもいいけどな。エンターテイメントの本質ってのがどんなものなんか。オイラまだわかってないけど、プロに聞いてみたいものぴょん。
とうふのかどにも安全装置はついていない。
- Digitune (Sun, 28 Mar 2004 08:18:39)
-
ゲームの面白さ、とはあんまり関係ないと思う>うさ。単に「リアル」なだけじゃ面白いゲームは出来ないからね、当たり前だけど。
そうじゃなくて、将来のエンタテインメントマシンが備えるべき一般的な資質なんじゃないかと俺が思ってる、というところから始まっている話なんだな。
- うさ (Sun, 28 Mar 2004 12:17:24)
-
今日はちょっと暇だぴょん。
エンターテイメントマシンが備える資質ってことは、ゲームメーカにしてみれば「それを使ってゲーム作れ」ってことだよね。で、メーカとしてはどうしてもがんばっちゃう。
結果なんか画面はリアルだけれど中身はどうなのか?とか。
例えば車ゲーとかバイクゲーにしても画面は綺麗だけど、中身の部分どうか?ってことね(オレ的には不満だらけ)。
ゲームの抽象度と画像の抽象度がずれてんのに違和感感じてるっていったらいいのかな。
まあ、横道それてすんません。
- かぴさん (Sun, 28 Mar 2004 20:17:32)
-
「エンタテインメントマシン⊃ゲームマシン」てことで>うさ
エンタテイメントであるならば必ずしもゲームの方法論に則らなくても良いわけだな。まったり気分を味わうだけのようなものであってもいいと。
VRの臨場感はその世界の動きに説得力があった方が高め易いだろうから物理シミュパワーが必要になってくるわけさ。背景の木の葉っぱがただの背景なのか、一つ一つ手に取れるものなのかで風情や臨場感がだいぶ違う。こういう部分はゲームじゃないけどエンタテイメントではあるんだよね。
あとゲエムにしても従来のものは作者が作りこんだ部分だけで動いているものが大半だけども、物理法則をうまく応用して作者も意図していなかったような様々な手段を試みることができるようになれば奥深さは飛躍的に高まると思うわけよ。
そゆこと。
- Digitune (Sun, 28 Mar 2004 22:01:36)
-
> エンターテイメントマシンが備える資質ってことは、ゲームメーカにしてみれば「それを使ってゲーム作れ」ってことだよね。で、メーカとしてはどうしてもがんばっちゃう。
かぴも書いてるけど、俺は必ずしもこの意見は真ではないと思う。ゲームの面白さと現実感創出が直接の相関関係にないことは前に書いたけど、ゲームクリエイターに向かって言うのであれば、「それを使ってゲームを作ってもいい」って感じ。
例えば、近年ミリオンを記録したゲームには、太鼓の達人みたいな作品もあるわけです。アトリエシリーズとか、ぷよぷよだってそこそこ売れてる。あんなの、SFC でだって作ろうと思えば作れちゃうわけで。
根本的な問題は、うさも書いてるけど、
> ゲームの抽象度と画像の抽象度がずれてんのに違和感感じてるっていったらいいのかな。
コレなわけだ。ゲームとして面白いかどうかをきちんと評価せずに、無駄に工数突っ込んで手間だけかけて「リアル」にしようとしている。そういうアヤマチを犯してるゲームが多い、ってのは確かだと思う。
// 余談だけど、「ゲームの面白さ」って定量化しずらいもんだから
// 分かりやすいところに工数突っ込んじゃう気持ちも分からなく
// もない。MS が Office をひたすら多機能にしてっちゃうのと同
// じようなモチベーションだな。
しかしだからといって、そういう方向の進化がなかった方が良かったのか、と言えば絶対そんなことはないと俺は思ってて、だって例えば PS2 レベルのマシンがなければ sons of liberty はプレイ出来なかったし。ICO もなかったし。FFXI もなかったし。GT4 もなかったし。そんなのツマンナイじゃん、って思うんだよね。
- うさ (Sun, 28 Mar 2004 22:38:08)
-
>が良かったのか、と言えば絶対そんなことはないと俺は思
そらそうなんだけど、そゆ高いレベルでまとまってるゲームってそうそうあるのかねえ?
エンターテイメントっちゅう意味ではそういう進化もありなのかもしんないけど、なんかひっかかる部分があってな。
遊ぶ側としちゃ面白いほうがいい、画像はいまさらローレゾには戻れない、工数ばっかりかかる、面白さを定量的に決める物差しも、面白いゲームを作る方法論もあるのかないのかわからない、って感じなのかな? 業界人じゃないから知らんが。
少なくとも同人の延長を商業に持ってきて「どーよ」って現状がすでにろくでもないな。んーナニ言いたいのかわかんなくなっちゃったぴょーん。
ま、気にしないで。
- Digitune (Mon, 29 Mar 2004 09:12:21)
-
> そゆ高いレベルでまとまってるゲームってそうそうあるのかねえ?
多くはないが、皆無ではないでしょ。この辺は映画なんかと同じで、映画も技術的な面、芸術的な面、人的な面、環境的な面など、いろんな側面がたまたまバランスよく配合されるとヒット作になる。どちらも単なる工業製品じゃないわけで。
// とはいっても最近のハリウッドの映画製作は
// かなりのレベルでシステム化されているらし
// いが。ゲームもそのくらいは出来るでしょー。
> 少なくとも同人の延長を商業に持ってきて「どーよ」って現状がすでにろくでもないな。
や、それはろくでもなくないんだよ。たとえ最先端ハードを使ってるからって、みんながみんな「なんちゃらシェーディングだー物理シミュレーションだーいろいろだー」という必要はなくて、紙芝居ゲームを作ってみたっていいわけです。それがきちんと受け入れられるものならば。
日本でもかつて、ふとテキストアドベンチャーが復権したこともあったじゃない (サウンドノベルとか言って)。テキストアドベンチャーなんて Apple][ の時代からあるけど、それにほんの少しスパイスを加えただけのものが立派に通用したわけで。
ハードは可能性を広げるべく頑張る、クリエイターは自由に作品を作る、そういう世界だと思うんだよね。
- Digitune (Mon, 29 Mar 2004 09:21:34)
-
> 紙芝居ゲームを作ってみたっていいわけです。
この辺は今の PC の状況見てると分かりやすいと思うんだけど、主にアメリカでの FPS ゲームの進化をドライバーにして、nVidia や ATI はとんでもないレベルで競争してるわけです。しかし、GDI しか使わないようなギャルゲー、エロゲーだって立派に商売してる。不必要なところに不必要な工数をかける必要なんてないんだよね。
コンソールゲーム機だって一緒でしょう。
- うさ (Mon, 29 Mar 2004 22:20:19)
-
あーオレの話がわきにそれすぎたんだなあ。
「同人云々」てなーぶっちゃけ「月姫」とかね。
そもそもアマチュアの集団に群がって儲けようってえプロの恥知らずがね。すっげーむかついたりしてね。
ゲームの内容が別に同人レベルでもかまわんのよ。ただ作り手の姿勢ね。「クリエーター」って言われてる連中にもめっさプライドないのいるやん。そゆの。
まあだから、この話とは、直接関係ないな。すまん。
ただプロが作ってもアマチュアが作っても、「面白い」ゲームってのがタマ切れ気味かなって気はする。「綺麗な」ゲームならいくらでもあんだがね。
場汚し、すまん。