birdネットワークメディアプレイヤー, Kernel 2.6 化

ネットワークメディアプレイヤー

PC Watch の記事によると、先日の「Xbox を AV クライアントに」という話以外にも、各社からネットワークメディアプレイヤーと呼ばれるカテゴリの製品が出てきたようですね。

Microsoft の動きを見ていて思うのは、コンピュータの基礎の部分は既に「ある」ものとして、その上のサービスを至極まっとうに発想できている、ということです。対して日本の家電メーカを見れば、なんというかまだまだベース部分の構築に汲々としていて、なかなかさらに上位の概念の提案までたどりつけていないように見えます。

僕なんかはまぁその、MS がよりどころとしている基礎部分に文句付けたりしてるわけなんですが、なんにせよちゃんと上を見ている視線がある、というのは価値あることです。

ところで上記記事には、

今回東芝が公開したデジタルホームのデモは、デジタルホームのあるべき姿を示していると言える。日本の家電ベンダのデジタルホーム構想では、PCが無視されていたり、PCがつながらないという未来像を示しているものが多い。しかし、家庭におけるPCの普及率が70%を超える今、PCを無視したデジタルホーム構想は歪んでいる。PCとデジタル家電が相互に接続でき、コンテンツ保護も実現された形でメディアデータのやりとりができるという今回の東芝のデモは、誰にとっても受け入れやすいものではないだろうか。

という文章がありますが、PC の家庭における普及率が 70% という数字だけを受けて、上記の結論を導き出すのはかなり強引な気がします。その 70% のうち、どれほどの PC がホームサーバとして稼働可能な状態にあるのでしょうか?実はホームサーバとして稼働可能な PC の割合は意外に低いんじゃないか、というのが僕の感覚的な印象です。

それに、PC が家電メーカーのホームネットワーク構想から無視されるのは、その普及率であるとか技術上の問題ではなく政治的な問題でしょう。それが「歪んでいる」という見方ももちろん可能だとは思いますが、僕からみれば、現在の MS に支配された PC そのものの方がよっぽど政治的に歪んでるように思えます。家電的世界まで全て MS ワールドになっちゃって、なんだかよく分からないアプリケーションを使わせられる未来なんて気持ち悪くないすか?

Linux のようなオープンな基盤の上に、そこそこイケてるフレームワークが乗っかって、各社がその上のアプリケーションの機能や方向性でもって (フェアに) 競争する、みたいな未来の方がいいなぁ。基盤技術がオープンでないところの弊害はこの、フェアな競争が出来ないところにあるんだよな…。

Kernel 2.6 化

自宅でメインに使っている Debian woody マシン (この Web サーバが動いているマシン) の kernel を 2.4.22-ck2 から 2.6.0 に変更してみました。もう 2.6.1 も出てますけどね…。

簡単に手順をまとめます。なお今回、kernel 2.6 に必要なその他もろもろのツール類をいちいち自分で調べて入れるのが面倒だったため、Debian backports を利用してインストールしてみました。

まず、次の行を /etc/apt/sources.lst に追加します。

#  
# woody backports  
#  
deb http://www.backports.org/debian stable kernel-2.6 kernel-source-2.6.0  

その後、とりあえず普通に「apt-get update」「apt-get upgrade」した後、「apt-get install kernel-source-2.6.0」を実行し、カーネルソースをインストールします (もちろん dselect 等を使って同等のことをしてもよし)。

さて次に、通常のカーネル再構築/インストール手順に従い、下記の通り実行します。

# cd /usr/src  
# tar jxvf kernel-source-2.6.0.tar.bz2  
# ln -s kernel-source-2.6.0 linux  
# cd linux  
# make menuconfig  
# make-kpkg --revision tpx20.01 kernel_image  
# cd ..  
# dpkg -i kernel-image-2.6.0_tpx20.01_i386.deb  

以上でカーネル入れ換えは完了です。このままリブートすることで新しい kernel 2.6 が利用できます。僕の環境ではごく普通に立ち上がり、今までと変わらず使うことが出来ました。1点、サウンドドライバを OSS から ALSA へ切り替えた関係で、/etc/modules の記述を変更する必要がありました。

[変更前]

# /etc/modules: kernel modules to load at boot time.  
#  
# This file should contain the names of kernel modules that are  
# to be loaded at boot time, one per line.  Comments begin with  
# a `#', and everything on the line after them are ignored.  
cs4281  
ipchains  

[変更後]

# /etc/modules: kernel modules to load at boot time.  
#  
# This file should contain the names of kernel modules that are  
# to be loaded at boot time, one per line.  Comments begin with  
# a `#', and everything on the line after them are ignored.  
snd-cs4281  
snd-pcm-oss  
snd-mixer-oss  
ipchains  

他にも、通常の kernel 2.4 からアップグレードした方は、X Server の nice 値を -10 から 0 へ変更した方が良いかもしれません (「dpkg-reconfigure xserver-common」で変更出来ます)。僕は以前、ck カーネルに切り替えた時に変更済みでした。

現在のところ分かっている不具合としては、VMware が起動出来ない点くらいです。vmware-config.pl をやり直してもカーネルモジュールの作成に失敗してしまうのですが、Google 先生に聞いてみたところ動かすための手はあるらしい。引き続き調査中。

さて、しばらく使ってみよう…。